ブーン系ゴールドラッシュ2013〜突発! タイトル祭り〜
星降る夜と約束のようです



271 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:47:04 ID:e2K/v9Xs0


約束の30分前にこの層に着いた。

272 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:48:38 ID:e2K/v9Xs0

夜の大四層は冷える。
岩が剥き出しの地面は既に昼の熱は逃げ切っていて、冷たく、淡々と暗闇まで続いている。
少し憎くなって、靴の裏で地をにじるように歩く。冷たい風がびゅうっと一吹きして、厚手のコートに包まれた私を震わせる。
体力もかなり使って、体がかなり辛い。
こんな寒い所に来た後悔もあるが、

lw´‐ _‐ノv っは、 っは、

期待もある。

273 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:50:36 ID:e2K/v9Xs0

両手で体を抱くように、コートを締める。
白い息をはきはき、薄い星明りを頼りにしながら、思い出を頼りにしながら、約束の岩尖を目指す。

街灯は無い。
土も無い未開拓地域(シベリア)で、高所だし、寒いし、インフラも何もない。
開拓するにも費用がかかるだけだし、環境が良くて景色のいい大三層はまだまだ土地が余ってるし。
コンクリの道路が出来るのさえ遠い未来だろう。

やがて、前方の空の星を縦に遮る影が見えた。


lw´‐ _‐ノv (…きっと、アレだ)


広大な岩の荒野にそびえ立つオベリスクのような、巨大な岩尖の輪郭が見え始める。

274 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:54:34 ID:e2K/v9Xs0

何枚もの岩盤を、幾千・大小の岩のつらら(岩尖)が下から貫くように支える自然構造物『砦』。
地学学者たちや科学少年の情熱の的で、どうしてこんな構造が出来ているのか未だに分かってないらしい。
ただ、この国の観光名物であり、当たり前にそこにあるのは、この先何年経っても何が明かされても変わらないだろう。

首都圏の砦なんかは最上小層まで金持ちが住んでるらしいけど、ここは全七大層の割に開拓域が大三層までだ。
上層は下層に比べて土地が狭いが資源があり、金さえあれば開拓できるはず。
市はそんなところに回す金も必要も無いようで。
やっぱり、しばらく開拓されることは無いだろうな。

275 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:57:44 ID:e2K/v9Xs0

そびえ立つ岩尖の根本までたどり着いた。
大人が十人でやっと囲めるくらいの太さだ。そして、頂点は空の闇に呑まれていた。
これでも、岩尖の中では小さい方だ。大一層から1000m貫き生えているものの先端であるとしても。
北大十字星を目印に来たから恐らく合ってるのだけれど、夜闇に冷えた岩尖に手を当て、少し表面を撫でてみる。
雨ざらしで永い間削られ続けた表面はなめらかで。
そしてその中に、少しの、ほんの微弱な段差を感じた。
その岩の面に鼻がくっつきそうなほどに顔を近づけてみる。
赤いペンキの跡が微かに岩の表面にあって、それが横に、岩尖を囲むように左右に伸び、裏側に消えている。
間違いなく、私たちの約束の場所だった。

276 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 20:58:45 ID:e2K/v9Xs0

lw´‐ _‐ノv =3

荒い息に混ぜて、白い溜め息を一つ吐く。
耳が凍りそうなほどに痛む。

277 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:01:01 ID:e2K/v9Xs0

とりあえず岩尖を一回りしてみよう。
今彼がいないのは音と気配で分かるけど、さっきまで居たかもしれないし…
それならアタシも帰ろう。向こうが帰ったのなら、ここで体力をただ消耗する時間も少なくしたい。
片手で岩尖に手を付きながら、そうして体を支えるように、ゆっくり歩く。
手の平の熱を岩が無慈悲に吸い取っていく。
風が強く吹いてコートの下まで冷たい空気を刺し込んでくる。

278 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:04:01 ID:e2K/v9Xs0



――誰もいないのは分かってたけど。
結局自分でも何周したか分からなくらいに岩尖を回って、その場に座り込んだ。

彼がここに居た形跡は無かった。
全く、だ。恐らく、何年も
タイヤの跡も、岩尖の表面の傷も、エアバイクの噴射跡も、置手紙も、何も無かった。

lw´ _ ノv =3

きっと、置手紙は風に吹かれて飛んでいったんだろう。
多分、約束の時間も間違えて、怒って下層に帰ったんだろう。
いや、そんな約束覚えてないんだ、きっと、もう。
涙が、こぼれないように、膝を強く抱く。

その方がいい。子供の頃の約束なんて忘れていって大人になればいい。
縛られるものが少なくなる。
彼が自由になるんだ。

279 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:05:48 ID:e2K/v9Xs0
lw´ _ ノv

アタシの6年間なんてどうでもいい。
彼に会えないなら。
約束を破っても、まだ、会いたかったのに。
合わせる顔が無くたって、それでも。


このままここで果ててしまいたかった。

強く風が吹く。

280 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:06:38 ID:e2K/v9Xs0



同時に、轟音。

( ∀ )

281 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:08:46 ID:e2K/v9Xs0

顔を上げる。
巨大なエアバイクだ。爆風を撒き散らしながら、暗黒色の車体が闇夜に溶けている。
滑空後の対地噴射の音が凄まじい。
やがて、エンジン音を小さくしながらブレーキ面が岩の地面に接近する。
それが安定する前に、バイクに乗っていた人物が私の目の前に飛び降りた。

( ∀ )

lw´‐ _‐ノv



lw´‐ _‐ノv モララー…

爪・∀・リ 久しぶりだな、直 修奈

ヘルメットを脱いだ中には、長い赤髪の痩せた男。
約束の彼が居た。

282 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:12:25 ID:e2K/v9Xs0

ああ、そうだ、考えてみれば割と時間に余裕を持って来たんだった。
来るかは分かってなかったけど。
いや、まぁ信じてたけどね?うん。
さすがに15年前の約束だから。忘れてる可能性も考慮してさ。
でも、まぁ、すこし気分が焦りすぎていた気がする。
ちょっと、嬉しい。

緊張が解けて、思わず顔が綻ぶ。



爪・∀・リ …この約束破りが

lw´;‐ _‐ノv


―綻びかけて、やめた。

283 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:14:21 ID:e2K/v9Xs0

言い返しようのない言葉を投げかけられる。
彼はこちらに歩み寄ると、岩尖に片手をついてこちらを見下ろした。
淡々とした表情、視線。

爪・∀・リ 覚えてたのはここのことだけか?

lw´;‐ _‐ノv そんなこ…

爪#・∀・リ 言い訳をするなッ!!

アタシの真横を蹴りが抜けていき、岩尖の表面に当たる。
思わず身を引いた。
モララーの体は怒りに震え…

あ、なんか主に右足が震えてる。痛かったのかな。
恐る恐る目を合わせるが、逸らされた。
舌打ちが一つ。

爪#・∀・リ …いいから、『星』を見るぞ

lw´;‐ _‐ノv うん…

284 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:15:55 ID:e2K/v9Xs0

身を翻してバイクを色々といじり始めた。
なんだか予想と違う。
確かに約束を破ったのはアタシだ。
二人の約束は守れなかったし、それをモララーが知っているのも当然だ。
でも、様子がおかしい。
身に纏わせる空気が、八つ当たりのそれだ。元々怒りやすい性格だけど、分別はあるヤツだった。

察しはついた。
望遠鏡を組み立てるライダースーツの背中に問う。

lw´‐ _‐ノv …今、何してるの

爪#・∀・リ あ? 望遠鏡出してるに決まってんだろ

lw´‐ _‐ノv 今、何の仕事をしてるの

爪・∀・リ


舌打ちが、一つ。

285 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:17:58 ID:e2K/v9Xs0


働いていないわけじゃないだろう。
こんな立派なエアバイクははした金で買える額じゃない。
多分、かなりエリートなキャリアを持っている。
それでも。
それでもこの怒りを持つ理由は。
岩尖に背を預け、地に腰を下ろす。
忙しなく動く背中は、怒りに満ちながらもどこかブルーな感情があった。
呼吸を整える。


lw´‐ _‐ノv …この、約束破りが

爪#・∀・リ 



約束を破ったのは、お互い様のようだった。

286 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:19:28 ID:e2K/v9Xs0

宇宙飛行士と宇宙船設計士。
子供の頃にアタシ達が夢見た、そして約束した将来。
モララーが設計士で、アタシがその宇宙船に乗って宇宙まで行く。
いくつかの月を周って、いくつもの種類の月の石を持ち帰って、いわゆるインテリアにする。
そして、25歳のこの日にここで集合する。
流星群を見るために。

幼い、10歳の時の約束。

既に空にはいくつかの星屑がこぼれていて、肉眼でも簡単に見ることが出来る。
彼は大きな天体望遠鏡を組み立てたけど。昔からこういう武器が好きだったな、この人は。

287 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:21:10 ID:e2K/v9Xs0

lw´‐ _‐ノv …綺麗だね

爪-∀<=(二

lw´‐ _‐ノv …寒い


夜の虚空に声が響く。
そして風の音が掻き消し、静まる。

モララーが口を開いた。


爪-∀<=(二 言うと更に寒くなる

lw´‐ _‐ノv …妄想に逃げるのも危機回避できなくて危険でしょ。こんなとこで凍死とか

爪-∀<=(二 わけもわからないまま幸せに死ねるだろ、死ね

lw´‐ _‐ノv …ひどい


アタシ達の天体観測を邪魔するのも、時折吹くすっごく寒い風と時折空を通っていく薄い陰だけだ。
明るすぎる月も無い。天体少年少女のアタシ達がそういう日を計算したんだから、当然の結果だ。

流れ星が、よく見える。

288 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:22:40 ID:e2K/v9Xs0

lw´‐ _‐ノv 変なヤツになったね、アンタ

爪・∀<=(二 …ただのバカですらなくなったなお前は

lw´‐ _‐ノv …大人になるって、そういうことじゃん?

爪-∀<=(二 …夢の器を無くすことがか。約束も破り

lw´‐ _‐ノv それは、




lw´‐ _‐ノv

lw´‐д‐ノv=3

誤魔化すように、誤魔化して、息を吐いた。
息が白い。
顔を膝に埋めて、こぼれそうになった涙を拭った。
耳が寒い。

289 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:24:48 ID:e2K/v9Xs0
こんなの見せたくない。
涙なんか。
約束を破ったのを許してと言ってるようで。
言い訳をするようで。

それに、まだ私には、あるのだから。
夢の最終兵器が。

勢いよく空を見上げると、横から一瞬視線。

爪・∀<=(二 

lw´‐ _‐ノv …そんなに悪いことカナ?

ハ・∀・リル<=(二 ふざけんなよこのクソアマ

lw´‐ _‐ノv ひどい

ハ・∀・リル ブス

lw´‐ _‐ノv 知ってる

ハ ∀ リル

黙った彼に視線を向けると、ちょうどこちらに掴みかかってくるところっておいちょっ

290 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:26:32 ID:e2K/v9Xs0



ハ・∀・#リル …この、腐れ兎が…!

lw´;‐ _‐ノv う、いぢ!いだだだ!耳はやめろ痛いマジで!ちぎれる!しもやけてて痛いの!

ハ・∀・#リル …信じてた

lw´;‐ _‐ノv

ハ・∀・#リル 俺はずっと、お前を…っ、信じてた、


ハ ∀ #リル 信じてたのに…っく……うぅ…

アタシのロップイヤーを掴む手を緩めながら、それと比例するように、モララーは俯き、体を震わせていった。
どうしようもなく、ただアタシは、また空を見上げるしかなかった。
小型船のステルスの陰が、星々の光を歪ませて飛んでいく。

lw´;‐ _‐ノv モララー…

私達の約束は、終わっていた。
いつか夢の道を外してしまったその時に。

291 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:27:46 ID:e2K/v9Xs0

lw´‐ _‐ノv …ついてきて

岩尖を背に立ちあがる。
既にここまで歩いてきてかなり疲れているけど、今しかないと思った。
流星群の中に北十字星を見つけて、さっきまでの道を戻り始める。
恐らく明朝までには帰れるだろう。とりあえず大五層のはっきり見えるところまで行こう。

爪 ∀ リ …どこ行くんだよ

lw´‐ _‐ノv アタシの住んでるとこ。ちょっと長いけど、歩きで

爪・∀・リ 送る

背後でモララーがエンジンをかけた音がする。
それに振り返って、申し訳ないけど断る。

lw´‐ _‐ノv 多分バイクじゃ事故るから…歩こう、体力ある?

爪#・∀・リ あ? どこ住みだよお前

lw´‐ _‐ノv 七層



爪・∀・リ …は?

292 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:29:33 ID:e2K/v9Xs0
lw´‐ _‐ノv 大七層。シベリアだから街灯無くて岩尖にぶつかって死ぬよ

爪・∀・リ …なんだ、なん、なんで?

lw´‐ _‐ノv 来るなら来て…


張った足に鞭打って一歩一歩を踏み出す。
コートをまた体に巻きつけ締めて、長距離歩くのに備える。
既に空は星屑がたくさん流れていて、きっと願い事も叶いそうな夜だった。

10歩くらい歩いたところで、ヘルメットを被ったモララーが真横にバイクをつけてくる。

( ∀ ) 乗れ

lw´‐ _‐ノv いや死にたくないし…

( ∀ ) 暗視ゴーグルくらいあるんだよクソアマ。とりあえず七層まで行くからどうにでもしろ

lw´‐ _‐ノv …

293 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:30:23 ID:e2K/v9Xs0
lw´‐ _‐ノv =3

( ∀ ) 早くしろ

lw´‐ _‐ノv 手貸してよ、乗り方知らないし


舌打ちが一つ。轟音の中でも聞こえた。
ライダースーツに包まれて夜に溶けそうな黒の手が、こちらに差し出される。
なんだか笑っちゃうな。
その手を取ると、確かに握り、引っ張ってくれる。
モララーの後ろに座る。フワフワ浮く乗り物の割に安定している。

( ∀ ) 掴まっとけよ

lw´‐ _‐ノv …うん

細い背に体を密着させ、胴に手を回した。

294 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:33:29 ID:e2K/v9Xs0




いや待て。
待てって。それはおかしいから、
明らかに岩尖に突っ込む形だ。
うん?いやいや。
ほぼ垂直の円錐だぞ?
うん。向かう直線上に岩尖があるのはおかしいと思うんですよ。

( ∀ ) あれジャンプ台にするから

いやそっちは確かに大五層の方向ですけど。
ね?絶叫モノとか苦手なんですよ。勘弁してください。
もっとゆっくり、

( ∀ ) 掴まってろ…!

無慈悲に加速が始まる。

lw´ ゚ _ ゚ノv うおぉっうおおあぁあああああああ!!



モララーが岩尖の直前でバイクをほぼ垂直まで傾け、岩尖をレールにして加速し、上空へ、

飛んだ。

295 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:34:32 ID:e2K/v9Xs0

烈風が体中をきりもみにしようと襲い掛かってくる。
高さとしては大六層が真横に見えるから、恐らく300mはz軸にプラスされてる。
ワケ分からん。ワケ分からん!
落ちたら死んでしまう!
後ろ(下)を見ると、大三層までの光が見える。怖い。高い。
モララーの体をきつく抱きしめる。

( ∀ ) …行こう

車体がやっと地面と水平になり、

296 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:36:04 ID:e2K/v9Xs0
後ろへ吹き飛ばされそうになった。
前方への急加速。今、空を駆けるアタシ達は外からどう見えるだろう。
前方への推力しか無い今、高度は少しずつ下がり大五層岩盤が下から近づいてくる。
いくつか岩尖に当たりそうになる中で彼はひたすらにハンドルを切り、地面にぶつかりかけたところで対地噴射をして、
それでも彼は先へ進み、高速度のまま大六層岩盤の下の影へ入っていく。
何を急いでいるのだろう。
ただ、大七層に行くだけなのに、モララーは―――

lw´> _<ノv (モララー―――)

297 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:37:03 ID:e2K/v9Xs0


何も見えない。
モララーがライトを点けない。
強い風は前方から感じる。
今、小さな岩盤や岩尖がいくつも先を阻む中を高速で抜けていっているはずなのだ。
恐い。
暗黒の中、この人だけが全てを見ていて、生きるも死ぬもすべてこの人に懸けている。
速度は落ちない。車体が左右に大きく揺れる。
やっぱり歩けばよかったかなとも思ったけど、それでも。
この人を信じるしかなかった。
昔のことを思い出す。

約束の夜を。
あの岩尖で、同じ流星群を見た夜を。

298 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:39:48 ID:e2K/v9Xs0

耳が後ろに流れる。
垂れ耳になりそう。ヘルメット貰えばよかった。
時々ある上下運動の感覚で、少しずつ、少しずつ上に上がっていってるのが分かる。
岩盤の中央辺りに、岩盤上部に抜ける穴があったはずだ。
今はそれを登っていっているのかもしれない。

lw´‐ _‐ノv




とうとう、私が病院から逃げた後の6年間を彼に見せる夜が来たんだ。
そう思うと、胸が高鳴る。

299 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:40:57 ID:e2K/v9Xs0

あの時の約束は守れなかったけど、
二人の約束は終わってしまったけど。


あの宇宙船を見たら、貴方はなんて言ってくれるだろう。

私の死の期限を伝えたら、どんな顔をしてくれるだろう。
どんな約束をしよう。

アタシ達の宇宙の夢を、モララーにもう一度見てほしい。



やがて、暗闇の先に、たくさんの星が降る夜空が見えた。

300 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/06(月) 21:42:15 ID:e2K/v9Xs0


星降る夜と約束のようです


【おわり】


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