■ブーン系ゴールドラッシュ2013〜突発! タイトル祭り〜
└肴は炙ったミセ*゚ー゚)リでいいようです
- 918 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 22:55:46 ID:XrU9c3EA0
それはとある昼下がりの出来事だった。
('A`)「クッソまだ出ねーのか、ココナッツミルクで煮込んだ味噌ラーメンが伸びちまうぜ」
( ^ω^)『おいすーブーンだお、急にどうしたお?』
('A`)「今晩飲み会しようぜ!」
( ^ω^)『今北九州で黒塗りの車から逃げ惑ってるところだお』
( ^ω^)『それに明日はカムチャッカ半島へスーツケースを売りに行かないといけないんだお……
ごめんお』
('A`)「問題ねーよ、穴埋めとして俺の会社で作ってるハニワ送っとくからさ」
( ^ω^)『ドクオ……恩に着るお!』
('A`)「じゃあ夜に稚内でよろしくな!」
( ^ω^)『了解したお! 行けたら行くお!』
- 919 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 22:56:35 ID:XrU9c3EA0
('A`)「あとはアイツかズルズル」ポチポチポチポチ
('A`)「美味だな、彩りに漂白剤使った甲斐があったぜ」プルルルル……
o川*ゝー゚)o『はーいルナルナ製薬のキュートでぇーす☆ 何か用ですか?』
('A`)「おっキュートか? 今日飲み会しようと思ってんけど」
『柔らかいナリ! 柔らかいナリ! パンパン』
('A`)「何この慟哭?」
o川*゚ー゚)o『取引相手の男調教してるだけ☆ はーいケツ穴にスピリタス投入しまーす!』
『んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』
('A`)「獣のニオイが染み込んだ断末魔は後で聴くからさ。予定どう?」
o川*゚ー゚)o『社長のポルシェ廃車にしちゃったけど大丈夫☆ 私コンバインの方が好きだし!』
- 920 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 22:57:30 ID:XrU9c3EA0
('A`)「社長にはサンバーでも紹介してやれ。んじゃ稚内でよろしく」
o川*ゝー゚)o『はーい☆ キューちゃん脱穀しちゃうぞ!』
『ヒギイイイイイイイイイイイイイモゲルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ』
『モーゲロヨモゲローヨー ハイッハズミヲツケテヤワラカク!』
('A`)(今日もいい按配だ。平和の象徴は鳩じゃなくて雀だと思うんだよね)
【オープニングBGM:http://www.youtube.com/watch?v=kPocaDP_yKY】
(スターウォーズテーマ曲フル.mp4 - Youtube)
ゴールデンウィークの真っ只中。
竹馬の友である三人は、久々に帰郷して盛大な飲み会を開くことにした。
これが地獄絵のような惨劇の引き金になってしまうとも知らずに……。
――――
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- 921 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 22:58:30 ID:XrU9c3EA0
- 922 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 22:59:31 ID:XrU9c3EA0
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〜その日の夜・居酒屋「流石」〜
('A`)「おうよく来たな!」
( ^ω^)「ベーリング海に自家用ジェット機墜落したけど無事だったお!」
o川*゚ー゚)o「指名手配されたけどジンベエザメにくっついて事なきを得たよ!」
('A`)「ブーン! お前の貸してくれた『呪いのビデオ』存分に堪能させてもらった!」
( ^ω^)「貞子たんと乳繰り合えたかお!?」
('A`)「テレビにケツくっつけてたけど何も起きなかったぜ!
月の裏側の人間もどきで抜いてた方がまだマシなレベルだったぜ!」
- 923 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:00:31 ID:XrU9c3EA0
('A`)「キュート! お前つき合ってるんだってな!
結婚したら綺麗なスノードロップ贈ってやるよ!」
o川*゚ー゚)o「ありがとう!! 結婚したとしても私たちズッ友だよ……!!!!!」
('A`)「うるせェ! 飲もう!」
ドン!
(゚、゚トソン「はいお客様。注文はお決まりになられましたか?」
o川*゚ー゚)o「ミセリ1つ!」
('A`)「カクテル『時の抜け殻〜銀河系のサハラ砂漠〜』を2つ」
( ^ω^)「生中で」
(゚、゚トソン「かしこまりました」
- 924 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:01:33 ID:XrU9c3EA0
〜数分後〜
(゚、゚トソン「生中、『時の抜け殻〜銀河系のサハラ砂漠〜』、『ミセリ』になります。
そちらの網で御自由に炙り召し上がってください。では失礼します」
('A`)「火の用意はいいな?」
( ^ω^)「バッチリだお! め組の大吾も真っ青だお!」
('A`)「着火!」
- 925 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:02:30 ID:XrU9c3EA0
o川*゚ー゚)o「燃〜えろよ燃えろ〜よ〜♪ 炎よ燃〜え〜ろ〜♪ ファイガ!」
('A`)「おい火が強すぎだ! このままじゃ備長炭になっちまうぞ!」
- 926 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:03:38 ID:XrU9c3EA0
ミセ;゚д゚)リ「ピギャア! ピギィィィィィィィイッィイイイイイイアッアッアッ」
( ^ω^)「そんなこと言っても砂肝のヒヒイロカネはアツアツだぜ?」
ミセ;゚д゚)リ「ギエェェェェェェェェェェェ!! ェ…………………………」
ミ#; д )リ「……………………」
カ#メдメ)ス シュウウウウウ……
('A`)「し、死んだ……」
カ#メдメ)ス
o川;゚Д゚)o「殺した……私たちが……殺し……」
('A`)「声を潜めろ! まだ俺たちが殺したと決まった訳じゃない!」
(;^ω^)「そうだお、見つかってしまう前に二次会のカラオケで頭を冷やすお!」
- 928 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:04:30 ID:XrU9c3EA0
('A`)「外にプーチンの郵政カブ110がある、とっととずらかるぞ!」
ガラッ
(゚、゚トソン「きゃあああああああああああ食い逃げよおおおおおおおおおおお(棒)」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「…………」
"""""""
@@@
"""""""" ズッ……ズッ……
- 929 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:06:00 ID:XrU9c3EA0
〜稚内市内〜
ブォォォォォォォン
o川;゚Д゚)o「急ぎなさいよ! 見つかるかもしれないのよ!?」
('A`)「男は黙ってオナニーだ!」
( ^ω^)「ドクオ前! ぶつかっ」
彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
( ´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
(´<_` )「ぐわあああああああああああああああ」
∬´_ゝ`)「ぐわあああああああああああああああ」
l从・∀・ノ!リ人「ぐわあああああああああああああああ」
('A`)「問題なかった」
〜数十分後・カラオケ「タイプ:M」〜
(゚、゚トソン「オールナイト3名ですね。463972016ジンバブエドルになります」
('A`)つ■■■■「テトリスの長いヤツ(声優:大塚明夫)あるんで入れといてください」
(゚、゚トソン「かしこまりました。店長に突っ込んでおきますのでご自由にどうぞ」
- 930 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:06:43 ID:XrU9c3EA0
〜数分後〜
('A`)「泥を〜塗りたくった〜〜Oh〜Oh〜君のおっぱいはせかいいち〜♪」
ガチャ
ミ,,゚Д゚彡「警察だ!」
(;^ω^)「何だお!? カブのコンテナにリトルゴジラを入れたのがバレたのかお!?」
ミ,,゚Д゚彡「このビラにそっくりな奴がいるって通報があってよお……」
- 931 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:07:30 ID:XrU9c3EA0
ミ,,゚Д゚彡「量産型トソンの情報網舐めんなよ? 悪運尽きたなペロペロ」
('A`)「殺人犯の前でガリガリ君コーンポタージュ味を舐めるとは……なんて器だ」
(;^ω^)「僕らは……僕らはここで捕まる訳にはいかないんだお!
幼稚園の頃、能登半島沖に沈めたタイムカプセルをサルベージするまでは!」
ミ,,゚Д゚彡「そいつはもう引き上げちまったよ……
中に入ってたカジキマグロの同人誌には世話んなったぜ」
ミ,,゚Д゚彡「あくまで逆らうってんならコイツが『相手』をする」
( ゚∋゚)「……」
o川*゚ー゚)o「ちんこしまえよてめえ」
<ドゴオオオオン! ガラガラガラ……
(;゚∋゚)「!!」
ミ,,゚Д゚彡(バカな! 全国壁殴り選手権第12位のクックルが冷汗を……!?)
( ^ω^)σ「あ……あ……」
《覚悟はできてるんだろうねぇ?》
- 932 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:08:30 ID:XrU9c3EA0
('A`)(普通に考えれば簡単に分かる……こんなでけぇヤツには勝てねぇってことぐらい……)
- 933 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:09:33 ID:XrU9c3EA0
('A`)σ「あっ! そろそろ刑事貴族の再放送が始まるぞ!」
《何だって!?》
( ^ω^)「今だお、妹者その他を身代わりにして逃げるお!」
('A`)「喋る前に考えるクセつけな!」
o川*゚ー゚)o「早くあそこへ!」
- 934 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:10:32 ID:XrU9c3EA0
〜同時刻・居酒屋「流石」〜
( ><)「あっ主犯は避妊薬で世界トップシェアを誇る「ルナルナ製薬」の社長、
素直キュートと思われるんです!」
(*><)「あっそこら辺の雀の情報によるとキュートは、他の製薬会社社長を調教し、
それをネタに買収するというあくどい手段でのし上がってきた、
あっ奇跡のスーパールーキーみたいなんです! ハァハァ」
( ><)「あっ素直キュート宅をテキトーに捜索したところ、
ステラーカイギュウ3頭がポストに詰め込まれていました!
あっこれが犯行の動機かと!」
( ФωФ)「ふむ……犯行グループの捜索は?」
( ><)「あっフサギコ刑事とクックルさんが向かわれてます!
あっ捕まるのも時間の問題かと!
あっ無線なんです! ……あっはい…………あっはい……」
( ><)「あっロマネスク警部!
あっフサギコ刑事から、あっ至急パンパースをあっ持って来てあっ欲しいとのことあっ!」
( ФωФ)「何ぃ! ワシのは渡さんぞ!」
- 935 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:11:30 ID:XrU9c3EA0
〜数分後・カラオケ「タイプ:M」から100m北〜
('A`)「あの2人は!?」
( ^ω^)「立ったまま脱糞してたお! 今の内に伊勢神宮へ逃げるお!」
ブォォォォォォォン……
@@@
@#_、_@
( ノ`)「…………」
@@@
@#_、_@
( ノ`)「フン……一時的とはいえ、私の注意を逸らすなんて大した度胸じゃないかい……
刑事貴族に免じて、今回だけは見逃してあげるよ……」
@@@
@#_、_@
( ノ`)
""""""" ズッ……ズッ……
@@@
"""""""" ズッ……ズッ……
- 937 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:12:36 ID:XrU9c3EA0
―
――
――――
午前零時、海沿いの国道を三台の原付が駆けていた。
運転手は三人とも長袖ではあるが軽装で、
内一人は常に肩をこわばらせ走っている。
それもその筈、現在は五月の初旬。
初夏の足音も聞こえてくる時期とはいえ、肌を切り裂く冷気は容赦することを知らない。
原付たちは数百メートル走った頃、道路脇の駐車スペースに停車した。
一本の外灯がおぼろげに照らす、小さな空間。
嬉しいことに先客は一人もいなかった。
('A`)
痩せた男がサイドスタンドを立て、ヘルメットをフロントバスケットに放る。
それからグローブをポケットにねじ込み、白い息と共に「さみーな」とこぼした。
- 939 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:13:30 ID:XrU9c3EA0
( ^ω^)
o川*゚ー゚)o
続けて二人も降車する。
一人は遠目でも分かるほどずんぐりとした体型の男、
もう一人は白いシャツを着た女。
女はグローブが無かった為に手が悴み、ヘルメットを外すのに苦労しているようだった。
バンドから手を離してヘルメットごと持ち上げ始めるが、抜ける筈もない。
見かねた痩身の男が女の指を持ち、バックルを外す。
o川*゚ー゚)o「……ありがと」
女は照れたように顔を俯かせ、小さく呟いた。
"く('A`)「……」
男は困った様子で頭を掻き、「どーも」と返して視線を遠くへ移す。
- 940 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:14:30 ID:XrU9c3EA0
遥か上空には濃紺の夜を彩る星々。
遠方の海上には集魚灯が煌々と灯り、ゆらめきながら光の線を伸ばしている。
静寂。
その一言だけで足りる、夜の情景。
耳をすり抜けるさざ波の音さえも、静けさを構成する要素だと思えてしまう。
('A`)「おいブーン、これからどうするよ」
痩せ形の男が、太った男に問いかける。
( ^ω^)「どうするか、かお……ドクオはどうするかお?」
とりあえずどさくさにまぎれて、カブのカゴに凄い高級感溢れる鯉を入れてきたけど」
('A`)「キュートは何か獲ってきたの?」
o川*゚ー゚)o「違和感だらけの日常だからちょっといやらしいなまこなんだ☆」
キュートと呼ばれた女はそう言って、原付のコンテナから掌大のナマコを取り出した。
艶がある体の先には、樹根のような触手がうねうねと蠢いている。
ドクオはそれを見るなりナマコを鷲掴みにし、母なる海へと放り投げた。
- 941 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:15:30 ID:XrU9c3EA0
('A`)「ロックだぜ」
( ´ω`)「ヒューマニズムって何なんだお?」
o川*゚ー゚)o「電線を辿って行ったら、逢いたい人に逢えるのかなあ……」
彼らは思いの丈を、ぼんやりとした下弦の月へ放った。
しかし、答えは返ってこない。当然だ。
もしも月に誰かがいるのなら、彼らの発した言葉を拾ってくれるのだろうか。
暗闇に押し潰されそうな彼らの光に、目を向けてくれるのだろうか。
('A`)「よし。室谷岬に行こう」
( ^ω^)「宗谷岬……」
宗谷岬。北海道の最北端。民間人が到達できる、日本国土の最北端でもある。
('A`)「宗谷岬に行こう。そして、日の出を見よう。
ここで歩みを止めてしまったら、腐っていく一方だ」
('A`)「俺たちは、生きてるんだから」
- 942 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:16:46 ID:XrU9c3EA0
自分たちは生きている。
誇れるものなど持たない彼らにとっては、その言葉が何よりも大切だった。
この世界に存在している。この大地を踏みしめている。
風を感じる。匂いも感じる。
誰かが拒もうと、誰かに蹴落とされようと、その事実だけは揺るがない。
存在を認めてくれる者がいる限り、暗闇に飲まれそうになったとしても、
己の光は決して火種を失わない。
('A`)「行こう。北の果てで世界を見つけよう」
( ^ω^)
v川*゚ー゚)v
彼らは頷き、目に光を漲らせた。
ドクオはグローブをキュートへ差し出し、自らは素手で原付を発進させる。
キュートは彼の手を気に掛けながらも顔を綻ばせてグローブを装着し、
背中を追って走り出した。
ブーンは鯉を捨てた。
- 943 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2013/05/04(土) 23:17:43 ID:XrU9c3EA0
さあ、彼らはこれからどこへ辿り着くだろう。
宗谷岬の後は、どこへ向かおうとするだろう。
心配はいらないかもしれない。
たとえ何が待ち受けていようと、彼らが前進を続ける限り、
彼らの炎は消えやしないのだ。
空は春の余韻を残しつつも、着実に次の季節へ歩みを進めている。
未だ消えぬ春の大曲線が彼らを掬いあげるのは、いつの話になるだろか。
('A`)「行こうぜ最北端に! あの岬で祝杯を交わそうぜ!」
( ^ω^)「勿論だお! でも肴はどうするんだお?」
o川*゚ー゚)o「全く……そんなの言わなくても分かるでしょ?」
彼らは走る。果てしなき大地を。
彼らは駆ける。限りなき自由を。
いつか訪れるさよならまで。
誰も知らない、世界の隅で。
〜完〜
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