■ブーン系ゴールドラッシュ2013〜突発! タイトル祭り〜
└(-_-)は古本屋の幽霊のようです
└その後の話
- 89 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 05:56:29 ID:3nD40kZ.0
- _
( ゚∀゚)「迎えに来てやったぞー。
はよでてこいやコラー」
(-_-)「なんで上から目線なのおはよう」
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( ゚∀゚)「今日から学校だっていうから心細かろうと思って来てやったのにおはよう」
(-_-)「ありがと。ネクタイくらいきっちり締めたら?」
_
(;゚∀゚)「おふくろみたいなこと言うなよな…」
今日は転校する日。クラスはもう決まっている。
ジョルジュとは別れてしまったけれど、まぁ、なんとかなるだろう。
でも、今重要なのはそこではなくて。
- 90 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 05:58:23 ID:3nD40kZ.0
(-_-)「……はぁ」
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( ゚∀゚)「なんだよ元気ないな。
…やっぱ不安か」
(-_-)「…学校への不安はないよ。
……問題はクラスの自己紹介だよ…」
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( ゚∀゚)「あー…それはもうガンバレとしか」
(-_-)「わかってるよ…わかってるけどさ…
あ、おなか痛くなってきた」
_
(;゚∀゚)「だ、大丈夫だって!クラスで友達できなくても俺がいるじゃん!」
(-_-)「…修学旅行とか、クラスの班だよねぇ」
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(;゚∀゚)「ウッ」
(-_-)「それ以外にも体育祭とかさ、これからだよねぇ。
ああいうのって団結とか振りかざすんだよねぇ…」
ぶつぶつ言っていたら学校に着いてしまった。
僕は職員室に行くからジョルジュとはここでお別れだ。
- 91 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 05:59:20 ID:3nD40kZ.0
- _
(;゚∀゚)「なななんとかなるって!昼飯は一緒に食おうぜ迎えに行くから!」
がんばれよーなんて言って階段を上っていく彼を見送る。
僕は深く溜息をついてのろのろと職員室へ向かった。
担任は目が大きく几帳面そうな人だった。
ジョルジュが『ギョロ目ワカッテマス』と呼んでいたのも納得できる。
( <●><●>)「小森君おはようございます。
緊張していると思いますが、リラックスして大丈夫ですよ」
(;-_-)「は、はい、がんばります…」
緊張するなは無理だ。正直逃げ出したい。
そもそも転校生を前に立たせて自己紹介させるって拷問だよこれ。
注目されるの嫌いなのに。あぁ胃がキリキリする…。
- 92 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:00:07 ID:3nD40kZ.0
( <●><●>)「では、すこし待っていてください」
そう言って先生は教室に入っていく。
誰もいない廊下ってちょっと怖い感じがする。しない?
あぁもう現実逃避したい。走り抜けたいこの廊下。
( <●><●>)「みなさん、おはようございます。
今日は転校生がいます。はいってきてください」
一つ息を吐いて教室の扉を開ける。真ん中の教壇へ歩く。
あぁあああ来ちゃったよこの教室内が静まり返ってるの苦手なんだよ。
みんなこっち見てる。視線が痛い。
視線が針だったらきっと僕は死んでる。グサグサしてる。
この状態で前向ける人尊敬するよ。俯き気味でも許してほしい。
- 93 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:00:51 ID:3nD40kZ.0
(;-_-)「こ、小森ヒッキーですちょっといろいろあって転校してきましたよろしくお願いします。」
( <●><●>)「こちらこそ、よろしくお願いします。君の席は窓際の一番後ろになります。
見にくいかもしれませんが、もう少しで席替えをしますので我慢してください」
(;-_-)「は、はい」
早歩きで席に向かう。ギクシャクとした歩きになっているのは自覚している。
ものすごく消え入りたい。空気になりたい。液体でもいい。
あぁ空が青くてきれいだなぁ…雲になりたい。
- 94 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:01:51 ID:3nD40kZ.0
( ´_ゝ`)「ねぇ」
(;゚_゚)「ぅうひゃい!」
(;´_ゝ`)「そこまでびびらんでも…」
(;-_-)「ぁああうごめんなさいぃぃ」
(;´_ゝ`)「やめて!なんか俺がいじめてるみたい!」
( ^ω^)「おっおっいじめよくないお。
ヒッキーだったかお?よろしくだお!」
(-_-)「え、あ、うんよろしく…えーっと」
( ^ω^)「僕は内藤ホライゾンだお!ブーンって呼んでくれお!」
(-_-)「ぶ、ブーン君…」
( ^ω^)「君はなくていいお。お隣さんだし仲良くするお」
(*-_-)「あ、ありがと…」
いつの間にか朝のHRは終わっていたようだ。
前と隣から話しかけられて安心する。無視されるのが一番つらい。
- 95 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:02:40 ID:3nD40kZ.0
( ´_ゝ`)「ねぇ、俺無視なの?俺最初に話しかけたよ?」
( ^ω^)「兄者はでかいからこわいんだおー」
( ´_ゝ`)「ピザに言われたくない」
( ^ω^)「僕のは一応筋肉だお。丸顔はほっといてくれお」
(-_-)「兄者、君」
僕は彼を知っている。
彼には双子の弟がいて、二人とも僕の友達になってくれた。
幽霊の僕と生きている僕が一致するかはわからないけれど。
( ´_ゝ`)「そうそう、俺流石兄者ね。
ちょっと聞きたいんだけどさ、最近なんか」
兄者君の言葉を遮るように鐘が響いて先生が入ってくる。
またあとでな、と言って兄者君は前を向いた。
おーん、ビコーズ先生怖いんだおと横から聞こえてくる。
ブーンの眉間をチョークが撃ち抜いた。怖いというのは本当のようだ。
- 96 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:03:52 ID:3nD40kZ.0
- _
( ゚∀゚)「おーっすヒッキー飯食うぞ飯」
(-_-)「あ、ジョルジュ」
昼休みに入ると朝言った通りにジョルジュが来た。
続けて弟者君と知らない人も入ってくる。
(;^ω^)「お、友達なのかお?」
( ´_ゝ`)「うわ意外」
(´<_` )「ヒッキーってこいつか。本当に意外」
('A`)「なんかすごい俺と同類のにおいがする」
_,
( ゚∀゚)「意外ってどういう意味だお前ら」
( ^ω^)「二人が並んでるといじめっこといじめられっこっぽいお」
( ´_ゝ`)「ヒッキー気弱いし」
('A`)「すごく友達になれそう」
(-_-)「一応一番仲いいと思うんだけどなぁ」
_
( ゚∀゚)「友情ってのは見た目じゃはかれないんだぜ…?」
(´<_` )「何こいつかっこつけてんの…」
( ´_ゝ`)「ないわー」('A`)
_
( ゚∀゚)「いいこと言ったろ今!なぁ!」
(-_-)「微妙」
_
(;゚∀゚)「お前まで!」
( ^ω^)「はいはい漫才してないでご飯食べるお。時間なくなっちゃうお」
- 97 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:04:49 ID:3nD40kZ.0
ジョルジュが僕の、弟者君は兄者君の、幸薄そうな彼はブーンの席に陣取った。
…ブーンは先ほど早弁していたように思ったのだけど、違う弁当箱をだしている。
('A`)「お前今日も二個か?」
( ^ω^)「ブッブー今日は三個あるんだおー。
部活前に食べるんです―ぅ」
( ´_ゝ`)「「うわぁピザ…」」(´<_` )
( ^ω^)「はもるのやめてくださる?
ちゃんと動いてるから大丈夫なんですーぅ」
_
( ゚∀゚)「動けるデブ…」
( ^ω^)「デブはやめろ」
(-_-)(ピザはいいのか…)
他愛のないおしゃべりをしながら皆弁当を食べ進める。
不幸が多そうな彼がちらとこっちを見た。
- 98 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:05:40 ID:3nD40kZ.0
('A`)「……」
(;-_-)「…あの、なにか」
( ^ω^)「おっドックン話しかけるかお?話しかけちゃうかお?」
( ´_ゝ`)「がんばれー」
(´<_` )「怖くないぞー」
(;-_-)「え?え?」
_
( ゚∀゚)「あいつ人見知りなんだよ。
目つき悪いし、知らない人の前だと固まるしで今まで散々だったんだと」
確かに目つきが悪い、と思う。
だけどそれより無言で見つめ続けられるほうが怖い。怖い。かなり怖い。
- 99 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:06:43 ID:3nD40kZ.0
('A`)「……」
( ^ω^)「さぁ見つめ続けて一分が経過しようとしていますお!
どう思われますか解説の兄者さん!」
( ´_ゝ`)「そうですねぇ…このままドクオ選手が動くのを待っていると昼休みが終わりそうです。
そろそろ新たな動きがほしいところ」
(´<_` )「そういや自己紹介してなかったな。
俺は流石弟者。よろしく」
( ^ω^)「おぉーっとここで弟者選手が自己紹介に入ったー!
ドクオの視線から逃れられて少し嬉しそうなヒッキーさんですお!」
(-_-)「あ、よろしく…」
( ´_ゝ`)「我が弟ながらさわやかな自己紹介です!
さぁドクオ選手続けるか?!」
('A`)「ア、アァァァアアアアノ!」
(;-_-)「は、はい!」
- 100 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:07:39 ID:3nD40kZ.0
( ^ω^)「緊張のあまり声が裏返っていますお!」
( ´_ゝ`)「私との初対面もあんな感じでした…懐かしいですね」
('A`)「ウ、ウツダドクオイイマスヨロシク」
(;-_-)「ど、ドクオ君…よろしく」
( ^ω^)「なぜか片言になりつつもクリア―――――!!」
( ´_ゝ`)「やりました!ドクオ選手見事話しかけることに成功!!」
_
( ゚∀゚)「なにやってんだお前ら…」
(-_-)「よくわかんない…」
(´<_` )「ほっとけばおさまるさ。
ところでヒッキー、お前最近なんか」
弟者の言葉を遮るように鐘が響く…ってなんかデジャヴ。
放課後なー、と言ってジョルジュ達が教室に戻っていった。
ご飯食べると眠くなるおね、とブーンは机に突っ伏し寝息を立て。
ゼアフォー先生から脳天にチョークを食らっていた。ここは怖い先生が多いようだ。
- 101 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:08:28 ID:3nD40kZ.0
(*-_-)「……って感じだったんですよ!」
ハハ ロ -ロ)ハ「ハァ。友達が増えて何よりデスネ」
学校帰りに僕は古本屋に来ている。
ジョルジュは軽音部に入っているらしく、サボって帰ろうとしたのを先輩に連れ去られていった。
ハローさんが出してくれた甘い紅茶を飲みながら僕は学校のことを話していた。
(*-_-)「はい!」
ハハ ロ -ロ)ハ「やけににやついていてすこし気持ち悪いデスヨ」
(;-_-)「えっ」
ハハ ロ -ロ)ハ「冗談デス…にやついているのは事実デスケド。
後悔のないようでヨカッタ」
(-_-)「…はい。ハローさんありがとうございます」
ハハ ロ -ロ)ハ「? お礼を言われるようなことはしていマセンヨ」
(;-_-)「うーん…なんとなくのお礼ってことで」
ハハ ロ -ロ)ハ「マァ、いいデスケド」
なんとなく、なんて嘘だ。ハローさんに感謝してもしきれない。
ここがなかったら僕はきっと孤独な幽霊のままだっただろう。
ジョルジュの気持ちも知らないままどこかを彷徨っていたかもしれない。
そう思うとゾッとする。本当に生きていてよかった。
- 102 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:09:18 ID:3nD40kZ.0
( ´_ゝ`)「おーっす、お?」
(´<_` )「ブーンか。…ん、ヒッキーじゃないか」
ハハ ロ -ロ)ハ「イラッシャイ」
(-_-)「あ、いらっしゃい」
( ´_ゝ`)「いらっしゃいましたって何なじんでんのヒッキー」
(´<_` )「やっぱりお前かここにいた幽霊は」
(-_-)「あ、わかってたんだ。
言おうと思ったんだけど信じてもらえないかなぁと思って」
( ´_ゝ`)「信じるに決まってんだろ同じ名前で同じ声。
自己紹介したときから思ってたわ」
(´<_` )「なんで幽霊になったのかとか今生きてんのとか。
聞きたいこと山程あるからな覚悟しろ」
(;-_-)「えぇ…あんまり話したくないんだけど」
ハハ ロ -ロ)ハ「強要するのよくないデスヨ。
あと二人がヒッキー君囲んでるとカツアゲしてるミタイ」
( ´_ゝ`)「カツアゲとは失礼な」
(´<_` )「ある意味情報のカツアゲじゃないかこれ」
(;-_-)「ひぃ」
- 103 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:10:05 ID:3nD40kZ.0
ハハ ロ -ロ)ハ■パシャ
( ´_ゝ`)「「お?」」(´<_` )
(;-_-)「は、ハローさんなに撮ってるんですか」
ハハ ロ -ロ)ハ「オーよく撮れてる。
これジョルジュ君に送っちゃおっカナァ〜。
ヒッキー君のピンチ!とか題名にシテ」
(;-_-)そ(脅しだ!)
(;´_ゝ`)「え、ちょ、やめてあいつ怒ると怖いんだから」
(´<_` )「別に怖くないけどたかがこの程度で友を失うのは割に合わん。
話せるようになったら言ってくれ興味がある」
(-_-)「…はい、いつか必ず」
( ´_ゝ`)「よし言質とったな弟者」
(´<_` )「あぁ録音済みだ」
(;-_-)「録音とかこわい…」
ハハ ロ -ロ)ハ「というか本買いにきたんじゃないんデスカ」
あぁそうだったと兄者君がジャンルを指定する。
手の中にある冷めかけた紅茶を飲み干して一息ついた。
ら外から名前を呼ばれた。
- 104 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:11:00 ID:3nD40kZ.0
- _
( ゚∀゚)「おーっす帰るぞヒッキー」
(-_-)「あれ、ジョルジュ」
( ´_ゝ`)「なぁにお迎え?」
(´<_` )「ジョルジュ軽音はどうしたんだ」
_
( ゚∀゚)b「逃げてきた!」
(-_-)「…大丈夫なの?」
_
( ゚∀゚)「今日だけだからいいだろ。
かえろーぜー」
(-_-)「うん。じゃあ、また明日」
ハハ ロ -ロ)ハ「ハイ、マタ明日」
( ´_ゝ`)「「明日なー」」(´<_` )
古本屋を出て二人並んで歩く。
彼は僕の歩幅に合わせて、歩く。
- 105 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:12:12 ID:3nD40kZ.0
(-_-)「……ねぇ、」
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( ゚∀゚)「なんだよ」
(-_-)「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
彼がぴたりと足を止めたのにつられて僕も立ち止まる。
夕暮れが彼の表情を消している。でもきっと彼は驚いて、すこし泣きそうでいるのだろう。
(-_-)「一応兄者君とブーン君と弟者君とドクオ君と友達になれたし」
(-_-)「たぶん、大丈夫だと思うんだ。今度は辛かったらちゃんと相談するし」
(-_-)「ジョルジュだってやりたいことあるでしょう?軽音だってあるし」
(-_-)「…僕にそこまで気つかわなくても大丈夫だよ」
_
( ∀ )「……人に黙って死のうとしたやつが何言ってんだかねぇ」
(;-_-)「いや、まぁそれはそうなんだけど。
僕のせいでジョルジュが我慢するのはおかしいっていうか」
_
( ゚∀゚)「バーカ、冗談だよ。
今日は昔気分を味わいたかっただけだ、気にすんな」
(-_-)「…そう。ありがと」
しばらく無言で歩く。
沈黙が少し心地よい。気まずさがないあたり、長く共にいたことを実感する.
- 106 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2013/05/03(金) 06:13:37 ID:3nD40kZ.0
_
( ゚∀゚)「……学校、楽しいか」
ぼそり、とつぶやかれたそれにはたくさんの意味が含まれているのだろう。
その問に、僕が答える言葉は決まっている。
(-_-)「うん。楽しいよ」
_
( ゚∀゚)「…なら、よかった」
よかった、とかみしめるように言う彼は笑っていた。
つられて僕も笑う。顔を見合わせて、笑う。
どうやら親友はまだまだ親友であり続けるようだ。
(-_-)は古本屋の幽霊のようです
ほんとにおしまい
<<<その三 ◆ ('A`)は人見知りのようです>>>
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