ζ(゚ー゚*ζ七代先まで…のようです( ^ν^)

1 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:16:19 ID:aerNZabo0
2015年 百物語参加作品

  .,、
 (i,)
  |_|

2 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:19:10 ID:aerNZabo0

同じ夢を小さな時から見た。
いや、見たというよりは聞くと言った方が正しいのかもしれない。その夢では辺りは暗闇で、男の声だけが途切れ途切れに聞こえる。
何を言っているのかはほとんどわからないのだけれど、唯一聞き取れる言葉がある。

それは

『七代先まで…』


ζ(゚ー゚*;ζ「はっ…!」

いつも「七代先まで」という言葉まで聞き取れるのだけれど、その先を聞こうとすると目が覚めてしまうので、なんという言葉が続くのか聞いたことはない。
でも、「七代先まで」の言葉の後に続く言葉なんて簡単に予想できる。

3 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:19:51 ID:aerNZabo0

( ^ν^)「…おい、起きるの遅すぎるぞ」

そう、「七代先まで」に続く言葉きっと…

ζ(゚ー゚*;ζ「って、ニュッ君!なんで私の部屋にいるの!?ってか、重いよ!お腹に座らないで!」

( ^ν^)「わざわざ起こしてやったんだから感謝しろよ、お前遅刻だぞ」

ζ(゚ー゚*;ζ「えぇっ!?今日テストなのに!」

( ^ν^)「どうせ受けたって0点だけど」

ζ(゚ー゚*ζ「うるさいよ、それより早く行こう!ニュッ君!」

( ^ν^)「へいへい」フワッ

ζ(゚ー゚*;ζ「ちょ、ちょっとニュッ君!浮いちゃダメだよ!」

( #^ν^)「あー?浮いた方が速えーだろ」

4 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:20:37 ID:aerNZabo0

ζ(゚ー゚*;ζ「そんなことしたら、ニュッ君が妖怪なのばれちゃうよ!」


( #^ν^)「俺がそんなヘマするかよ!!祟るぞ!!」

ζ(゚ー゚*;ζ「もう七代前から祟ってるじゃない…」

…夢の中で続きの台詞なんて聞かなくても分かる、だって現実で毎日言われているのだから。

5 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:21:22 ID:aerNZabo0



ζ(゚ー゚*ζ七代先まで…のようです( ^ν^)


.

6 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:22:04 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*;ζ「あー、なんとかテスト間に合って本当に良かった…」

o川*゚ー゚)o「デレちゃん今日もボロボロだねー、制服また破れてるじゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「あー、これは荒巻のおじいちゃんちの犬に追いかけられて…」

o川*゚ー゚)o「あの犬、大人しいので有名なのに…」

ζ(゚ー゚*ζ「逃げてる間に、何回か転んだりもしちゃって…」

o川*゚ー゚)o「デレちゃんは本当に不幸体質だよね、前世なんかしたの?」

ζ(゚ー゚*;ζ「そんなことないと思うけど…」

それに私が不幸体質なのは前世のせいではなく、ご先祖様のせいだ。

7 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:22:45 ID:aerNZabo0

( ^ν^)「デレ、テストには間に合ったけどちゃんと解けたのかぁー?」

ζ(゚ー゚*;ζ「ぐぬぬ…」

( *^ν^)「ヤマかけたところが全部外れた顔してるぞ」

ζ(゚ー゚*;ζ「そんな心底楽しそうに言わないでよ」

( ^ν^)「デレは馬鹿だからな」

o川*゚ー゚)o「でも馬鹿な子ほど可愛いんですかい?旦那」

( ^ν^)「可愛くねーよ、馬鹿は馬鹿だ」

o川*゚ー゚)o「それにしてはいつもデレちゃんと行動してるじゃん」

( ^ν^)「幼馴染のよしみで仕方ねぇから面倒みてやってんだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「嘘つき…」

面倒を見てるんじゃなくて、祟ってるだけじゃない。

( #^ν^)「あ?祟るぞ?」

o川*゚ー゚)o「本当仲良しだねー、二人は」

8 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:23:26 ID:aerNZabo0
仲良し、そう小学校を卒業するまでは純粋に仲良しだった。私も自分の不幸体質は自分がドジだからだと思っていた時は。

でも、小学校卒業の日…


( ^ν^)『…デレ、お前に言わないといけないことがある』

ζ(゚ー゚*ζ『なぁに?ニュッ君』

( ^ν^)『お前の不幸体質は俺のせいだ』

ζ(゚ー゚*ζ『…?』

( ^ν^)『まぁ、ガキのお前にこんなこといきなり言ってもわかんねぇとは思うが、俺はお前の七代前の爺さんとある約束をした』

ζ(゚ー゚*ζ『七代前って…何言ってるの、ニュッ君は私と同い年なんだから七代前のお爺さんと約束なんて出来ないでしょ』

( ^ν^)『俺はお前と同い年なんかじゃねぇ、もう何百年も生きている妖怪って奴だ』

ζ(゚ー゚*ζ『じゃあ、髪の毛針とか出来るの?』

( ^ν^)『それはできん。そして霊毛ちゃんちゃんこもリモコン下駄も持ってない。ってか、アニメならあのヒーローに倒される方だし』

ζ(゚ー゚*ζ『えー、ってか、普通に信じられないなー』

( ^ν^)『……ちっ、仕方ねぇな。じゃあ俺が妖怪って証拠見せてやる』

ζ(゚ー゚*ζ『うん、見る見る!』

9 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:24:07 ID:aerNZabo0
( ^ν^)『………』

ζ(゚ー゚*ζ『……』

( ^ν^)『………』

ζ(゚ー゚*ζ『…何にも起こらないじゃ』ガッシャアアアアン!

ζ(゚ー゚*;ζ『…え?』

後ろを振り返るとトラックが空き家に突っ込んでいた。もう少しずれていたら、きっと私にぶつかっていただろう。
付近は大騒ぎになった、トラックの運転手は無事だったし、怪我人は誰一人でなかったけど。

( ^ν^)『…これが俺の力だ』

ζ(゚ー゚*;ζ『嘘…』

( ^ν^)『嘘じゃねーよ、なんならもう一回やってやろうか?次はお前、死ぬかもしれないけど』

ζ(゚ー゚*;ζ『これって、祟りって奴…?』

( ^ν^)『そういうこと。そしてお前が待ちに待った七代目ってことだ』

ζ(゚ー゚*ζ『待ちに待った…?』

10 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:24:54 ID:aerNZabo0

( ^ν^)『七代先まで…、って約束だったんでね。お前が死ぬのを見届ければ俺も晴れて自由の身ってことさ』

ζ(゚ー゚*;ζ『ネタばらしをしたってことはニュッ君は、今から私を殺すの…?』

( ^ν^)『……今は殺さねぇよ』

ζ(゚ー゚*ζ『なんで?』

( ^ν^)『待ちに待った七代目だぞ?折角のメインディッシュは、もっと不幸にしてどん底を味合わせて、苦痛の表情を沢山見てから殺した方が良いに決まってるからな』

ζ(゚ー゚*ζ『うわー、ニュッ君らしい…』

( ^ν^)『もっと怖がれよ、てめぇ』

ζ(゚ー゚*ζ『というか、なんでニュッ君は妖怪なのに私と幼稚園から一緒に人間の世界で生きてるの?』

( ^ν^)『妖力だけじゃなくて、お前の日常生活でも嫌がらせをするため』

ζ(゚ー゚*ζ『陰険な理由なのがとてもニュッ君らしいね』

( ^ν^)『……お前、全然怖がらねーのな』

ζ(゚ー゚*ζ『まぁ、不幸体質な理由が分かって良かったよ』

( #^ν^)『相変わらずの能天気頭だな!祟られてんだぞ!』

ζ(゚ー゚*ζ『まぁ、今すぐ死ぬわけじゃないみたいだし別に』

( ;^ν^)『…俺たち妖怪よりも何よりも馬鹿が一番こわいってのは分かったわ』

ζ(゚ー゚*ζ『失礼しちゃうなー』

11 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:25:34 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*ζ「…あれ?」

( ^ν^)「ボーッとしてどうした?いつも通りだけど」

ζ(゚ー゚*ζ「いや、別にニュッ君が私に正体ばらす前と後で関係性全く変わってないなーって。なんだかんだ仲良しだった」

( ;^ν^)「…奇特すぎるんだよ、てめぇが」

ζ(゚ー゚*ζ「そういえばキューちゃんは?」

( ^ν^)「お前がボーッとしてる間にとっくに帰ったっつーの」

ζ(゚ー゚*ζ「そっか、ニュッ君待っててくれてありがと」

( ^ν^)「うっせー、祟るぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「もう祟ってるじゃない」

12 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:26:14 ID:aerNZabo0
( ^ν^)「腹減ったなー、デレ、今日なんか晩御飯作れ」

ζ(゚ー゚*ζ「カレーでいいなら」

( ^ν^)「ま、許す」

ζ(゚ー゚*ζ「…ねぇ、ニュッ君はどうして私のことを祟ってるの?」

( ^ν^)「あー?七代前の爺さんと約束したからって言ってんだろ」

ζ(゚ー゚*ζ「だから、その七代前のお爺さんはニュッ君に何をしたの?」

( ^ν^)「……知ってどうする」

ζ(゚ー゚*ζ「別に、気になったから」

( ^ν^)「珍しいじゃねーか、普段そんな話出さない癖に」

ζ(゚ー゚*ζ「んー…最近夢を良く見るからかな?」

( ^ν^)「夢?」

13 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:27:27 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*ζ「昔から見る夢なんだけど、最近頻繁に見るの。「七代先まで…」って言葉だけが聞こえる夢なんだけどね、もしかしてこれもニュッ君の祟り?」

( ^ν^)「…」

ζ(゚ー゚*ζ「ニュッ君?」

( *^ν^)「俺は無意識の内に、夢の中でもデレに嫌がらせが出来るような妖力を手に入れていたのか…!」

ζ(゚ー゚*ζ「今日一番の笑顔だね、ニュッ君…」

本当、どうしようもない幼馴染妖怪だ。

14 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:28:08 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*ζ「はー、今日も疲れたなぁ…。まぁ、カレーが上手にできたから良しとしよう」

一人で作ると絶対失敗するけど、ニュッ君と一緒の時に作ると上手くいく。まぁ、ニュッ君も自分が食べるものを不味くさせられたらたまったもんじゃないから、料理中だけは祟るのをやめているみたいだけど。

ζ(゚ー゚*ζ「寝よ、明日は早起きしないと…」

目を閉じてしばらくすると見慣れた暗闇が訪れた。
真っ暗闇、今晩もお馴染みの夢のようだ。

ほら、また途切れ途切れに声が…

『……』

『あぁ、やっと見つけた…』

『七代目……』

15 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:28:49 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*;ζ「うわあああ!!」

( ;^ν^)「うおっ、何だよ!」

ζ(゚ー゚*;ζ「ニュッ君、怖い夢見せるのやめてよ!そして私のお腹の上に座らないで!」

( ^ν^)「んなこと言われても、無意識にやってるんだからなんともできん」

ζ(゚ー゚*;ζ「安眠くらいさせてよ!」

( ^ν^)「…ってか、お前、俺の重さでうなされてるだけじゃね?」

ζ(゚ー゚*ζ「……ニュッ君、私の上に座るの禁止ね」

( ^ν^)「嫌ならちゃんと時間通り起きろ、今日も遅刻かもしれんぞ」

ζ(゚ー゚*;ζ「普通に起こしてよー!」

16 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:29:29 ID:aerNZabo0

o川*゚ー゚)o「おはよう、今日もボロボロだねぇ」

ζ(゚ー゚*;ζ「今日は鬱田君の家のセキセイインコが逃げちゃったみたいで、その子につつかれて…」

o川;*゚ー゚)o「デレちゃんはなんでそんなに動物に嫌われてるの…?」

( *^ν^)「超面白かったぞ、動画撮ったから見るか?」

o川*゚ー゚)o「動物には嫌われてるのに、こんなに性格悪い幼馴染には愛されてるねぇ、デレちゃん」

ζ(゚ー゚*ζ「むしろニュッ君が動物に嫌われてるのかもしれないよ?逃げろって意味で動物たちは私に警告をしてるのかもしれない」

o川*゚ー゚)o「納得」

( ^ν^)「お前ら2人とも祟るぞ」

17 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:30:09 ID:aerNZabo0

( <●><●>)「はい、みなさん。席についてくださいね。…出連さんは今日も動物に追いかけられたんですか?」

ζ(゚ー゚*;ζ「あはは…」

( <●><●>)「えーと、今日は皆さんに新しいクラスメイトの紹介をしたいと思います」

o川*゚ー゚)o「え、転校生!?」

( <●><●>)「そうです。入ってきてください」

ガラッ

( ^ω^)「おっ」

ζ(゚ー゚*ζ「わー、優しそうな子だね」

o川*゚ー゚)o「そう?なんかニュッと同じ匂いがするけど」

ζ(゚ー゚*ζ「それは転校生にとても失礼だと思うよ…」

18 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:31:08 ID:aerNZabo0

( ^ω^)「内藤ホライゾンと言いますお、ブーンって呼んでくださいお。これからよろしくお願いしますお!」

( <●><●>)「じゃあ内藤君は、出連さんの隣で。では皆さん、仲良くするように、朝のHRは以上です」

ζ(゚ー゚*ζ「よろしくね、内藤君」

( ^ω^)「おー、ブーンって呼んでくれだお」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、うん、よろしくね、ブーン君!私のことはデレって呼んでね」

( ^ω^)「おっ、了解だお、デレちゃん」

( ^ν^)「…」

o川*゚ー゚)o「ヤキモチでも妬いてるのかなー?」

( ^ν^)「鼻からうどん食わせるぞ、てめぇ」

o川*゚ー゚)o「乙女に何てこというんだ、あんたは…」

19 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:31:49 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君はどこから引っ越してきたの?」

( ^ω^)「vipだお、でも昔はこの町に住んでたんだお」

ζ(゚ー゚*ζ「え、そうなんだー!じゃあ昔会ったことあるかもね」

( *^ω^)「おっ、ありえるかもしれないお」


( ^ν^)「…」

('A`)「ニュッ、教科書貸して…って、なんかあったのか?」

o川*゚ー゚)o「ヤキモチ妬いてんのよ」

('A`)「ヤキモチ?」

o川*゚ー゚)o「転校生とデレちゃんが仲良くしてるから」

('A`)「へー、転校生か」

20 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:32:32 ID:aerNZabo0
( ^ν^)「…ドクオ」

('A`)「ニュッ、大丈夫だって。出連さんはそんな簡単にはとられないって、幼馴染ポジションは強いぜ?」

( ^ν^)「お前、セキセイインコはちゃんと籠に入れてきたか?」

(;'A`)「は?ちゃんと入れてきたに決まってんだろ」

( ^ν^)「じゃあアレは何だ?」

('A`)「え?」

ζ(゚ー゚*;ζ「痛い痛い!!」

( ゚∋゚)「クェエエエエエ!!!」

( ;^ω^)「おおおん!?デレちゃん、大丈夫かお!?」

(;'A`)「げっ、どうしてここにクックルが!?こら、出連さんをつつくんじゃない!」

o川;*゚ー゚)o「セキセイインコあるまじき鳴き声ね…どんだけ嫌われてるのよ、デレちゃん」

( ^ν^)「…ふんっ」

21 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:33:15 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*;ζ「…ちょ、ちょっとニュッ君」

( ^ν^)「んだよ、こっちは眠ぃいんだよ、昼休みくらい寝させろ」

ζ(゚ー゚*;ζ「今日の私、不幸すぎない?私何かニュッ君が怒るようなことしたっけ?」

( ^ν^)「別にいつもと変わらんだろ」

ζ(゚ー゚*;ζ「変わるよ!シャーペン全部壊れて小テスト何も書けなかったし、中庭のベンチは座ったら脚が折れるし、今日はおかしいでしょ!」

( ^ν^)「知るか」

ζ(゚ー゚*;ζ「なんなのよ、もう…」

22 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:33:55 ID:aerNZabo0
ζ(゚ー゚*ζ「ニュッ君、本当にどうしたんだろ…」

o川*゚ー゚)o「本格的にヤキモチ妬いてるみたいね」

ζ(゚ー゚*ζ「ヤキモチ?」

('A`)「出連さんが転校生と仲良くしてるのが気に入らないんだろ」

ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君?なんで?」

o川*゚ー゚)o「デレちゃんは馬鹿なの…?」

('A`)「せめて鈍感と言ってやれ」

ζ(゚ー゚*ζ「お昼誘っても来ないし…もうニュッ君なんて知らないんだから」

('A`)「折角出連さんの手作り弁当なのになー」

o川*゚ー゚)o「勿体無い…」

ζ(゚ー゚*ζ「仕方ないから家に持って帰って食べるよ」

23 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:34:43 ID:aerNZabo0
( ^ω^)「そのお弁当、良かったら僕にくれないかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「ブーン君」

( ;*^ω^)「お弁当忘れちゃって…」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、いいよ!食べて食べてー!」

('A`)「ほほう…」

o川*゚ー゚)o「中々やりおるのう」

( ^ω^)「そういえば、さっきワカッテマス先生が素直さんと鬱田君って人を探してたんだけど、デレさん知ってるかお?」

ζ(゚ー゚*ζ「え?この2人がそうだよー」

o川*゚ー゚)o「ワカッテマス先生が探してるって、なんだろ」

('A`)「あれじゃね?文化祭の…」

o川*゚ー゚)o「なるほどね、ブーン君、ありがと。デレちゃん、ちょっくら行ってくるわ」

ζ(゚ー゚*ζ「いってらっしゃーい」

24 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:35:24 ID:aerNZabo0

( ^ω^)「いやぁ、デレちゃんのお弁当美味しいお」

ζ(゚ー゚*ζ「本当?それは良かった」

( ^ω^)「それにしても、この学校はいいおー、お昼を中庭で食べれるとは」

ζ(゚ー゚*ζ「ねー。普段はベンチに座れるんだけど、さっき壊れちゃったから芝生に直に座るしかないけど…」

( ^ω^)「ピクニックみたいでいいじゃないかお、天気も良いし最高だお」

ζ(゚ー゚*ζ「ねー、本当、今日は良い天気…」

ζ(゚ー゚*;ζ「危ない!!!」サッ!

( ;^ω^)「おっ!?」

ガシャン!

25 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:36:07 ID:aerNZabo0

( ;^ω^)「おー…まさか鉢植えが落ちてくるとは、デレちゃん、ありがとうだお」

ζ(゚ー゚*;ζ「……」

( ;^ω^)「デレちゃん?大丈夫かお?」

ζ(゚ー゚*;ζ「あ、ぁ…いたい…」

( ;^ω^)「おぉん!?は、鉢植えの破片が背中に刺さってるお!!血が出てるお!」

ζ(゚ー゚*;ζ「ぶ、ブーン君、保健室の先生を…」

26 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:37:03 ID:aerNZabo0



( *^ω^)「…いやぁ、なんていう素晴らしい不幸体質、流石僕の祟りは効き目があるおねぇ」




ζ(゚ー゚*;ζ「…え?」

27 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:37:44 ID:aerNZabo0
( ;^ν^)「デレっ!!!」

ζ(゚ー゚*;ζ「ニュッ…君…?」

( ;^ν^)「…くそっ、今病院に連れてってやるからな、デレ!」

( ^ω^)「あー、なるほど。本当は産まれてすぐ死ぬ筈だったこの子がどうして今日まで生きて来られたやっと分かったお、君のせいだったのかお」

( ^ν^)「…」

ζ(゚ー゚*;ζ「どういう…こと…?」

( ^ω^)「お?何も知らないのかお?」

ζ(゚ー゚*;ζ「だって、ニュッ君は…私のことを祟って…」

( ^ω^)「君を祟ってたのは僕だお、君の母方の先祖を七代前から祟っているんだお。そしてやっと七代目の君が産まれる瞬間にありったけの呪詛を唱えて殺した筈だったんだけど…」

28 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:38:25 ID:aerNZabo0

ζ(゚ー゚*;ζ「嘘…」

( ;^ν^)「デレ喋るな、さっさと病院行くぞ」

( ^ω^)「行かせるわけないお?」

ζ(;ー;*ζ「あああああ!!」

( ;^ν^)「デレ!?」

( *^ω^)「おっおっおっ、僕の恨み辛み悲しみの気持ちを味合わって死んでいくといいお」

( #^ν^)「ざけんな…!許さねーぞ!」

29 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:39:09 ID:aerNZabo0

頭が痛い…胸が痛い、心が痛い。


すごく悲しい、嫌だよ寂しいよ一人にしないで置いて行かないで。


…まだ死ねないよ、私。
だって、ニュッ君、あなたは私を祟っていなかったとしたら一体何を…

30 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:39:50 ID:aerNZabo0

( ;^ν^)「デレ…!デレ…戻ってこい!」

( ^ω^)「応急処置かお?無駄なことだお」

( ;^ν^)「…お前なんで七代も祟ってんだよ」

( ^ω^)「猫を殺せば七代祟る、って言葉知ってるかお?」

( ^ν^)「…知ってるが、お前死んでないだろ」

( ^ω^)「その通り、僕は長い年月を生き続けて妖怪になった…」

( ФωФ)「猫又だお」カッ

( ^ν^)「…やっぱり動物の類だったか、道理でデレが動物に嫌われるわけだ」

( ^ω^)「おっおっおっ、それは何よりだお」

31 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:40:29 ID:iHtN2Jig0
( ^ν^)「んで、殺されてない猫又が七代まで祟ってるんだよ」

( ^ω^)「それは僕の大切な人間をデレの先祖が殺したからだお」

( ^ν^)「…七代まで祟るこたぁねぇだろ」

( #ФωФ)「僕の心はツンが殺された時に一緒に殺されたんだお!!ツンのために猫又になったというのに、そのツンを、あの男は殺したんだお!!!」

( ;^ν^)「余程熱心だったようだな、そのツンって奴に…」

( #ФωФ)「結婚だって決まっていたんだお。なのに、あの男は…ツンの父親はツンを雨乞いの人柱にして殺してしまったんだお…!妖怪の嫁に出すぐらいなら皆の役に立つ死に方をしろと……!」

32 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:41:42 ID:aerNZabo0
( ;^ν^)「…ってことは、お前は愛しい人の血縁を祟ってるのか」

( #ФωФ)「僕が愛したのはツンだけだ!!他のものは全て憎い憎い憎い!だからツンを殺した血が流れている七代目、デレは殺させてもらう!」

( ;^ν^)「気持ちはわかるけど、そうはいかねぇんだよ…」

( #ФωФ)「なんでだお、お前はなんでそうまでしてその子を守る!」

( #^ν^)「…約束しちまったんでな、こいつの七代前の奴に!!」ブワッ!

( ;ФωФ)「…お!?」

33 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:42:27 ID:aerNZabo0

何時もの夢と同じ、暗闇の中私はいた。でも、いつもとは何か違う。
声がはっきりと聞こえる、…それもこれは会話だ。


『おい、お前、大丈夫だったか?いきなり石を投げるなんて酷い奴らだな…』

『いてて…ちくしょう、人間にやられるなんて俺も落ちぶれたもんだぜ…』

『お前は…妖か?』

『…ま、そうだな。今は妖力もなくなっちまって人間より弱いけど』

『死ぬのか?』

『さぁね』

『妖は人を食らうと妖力が得られると聞く』

『まぁな。でも俺は別に人を殺す趣味はねぇ』

『わしを食うといい』

『…爺さん、頭可笑しいんじゃねーの?』

『もうすぐ死ぬ運命なんだ。自分でわかるのさ、なぁ、どうだ、食ってはくれないか?』

『…タダで食うわけにゃあいかねぇよ、等価交換じゃねーと』

『律儀な妖だのう』

35 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:43:08 ID:aerNZabo0
『…食うとしたら俺は爺さんの体を、魂も食うぞ』

『構わない、どうせ地獄にいくような魂だ。食われて消化された方がマシじゃ』

『…うーん、魂と体と等価交換。それに、俺は今空腹だから今食べる食事はさらに価値がある』

『あ、わしを食べるのはいいが、味を占めてわしの子供たちまで食べようとはするなよ』

『しねぇよ!…って、待てよ?爺さん子供がいるのか』

『うむ、婆さんは去年死んだがな』

『…よし、決めた。等価交換するもの』

『ほう、なんじゃ?』

36 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:43:49 ID:aerNZabo0





( ^ν^)『爺さんの子孫、何があろうと七代先までは俺が守ってやるよ』


.

37 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:44:31 ID:aerNZabo0


ζ(゚ー゚*;ζ「…!!!」

( ;^ν^)「…デレ、やっと目覚めたか。相変わらず遅えよ」

ζ(゚ー゚*;ζ「ニュッ君…、ここは?」

( ^ν^)「病院だよ、病院。丸一日起きなかったから死んだかと思ったぞ」

ζ(゚ー゚*ζ「…ブーン君は?」

( ^ν^)「アイツは…」

( ^ω^)「おいーす、お見舞いにきたお」ガチャ

( ^ν^)「どの面下げて見舞い来てんだよ、祟るぞ」

( ^ω^)「祟ってるのは僕だお」

ζ(゚ー゚*;ζ「どういうことなの?」

38 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:45:20 ID:aerNZabo0
( ^ω^)「君を殺すのは一旦止めたお」

ζ(゚ー゚*ζ「そりゃまたどうして?」

( ^ω^)「ニュッ君が七代先まで仲間だって分かったからだお」

ζ(゚ー゚*;ζ「七代先まで仲間…?」

( ^ω^)「僕はデレちゃんの母方の先祖を七代先まで祟ったお。でも、ニュッ君は父方の先祖を七代先まで守るって約束をしたんだお」

( #^ν^)「ベラベラ喋るんじゃねー!!」

ζ(゚ー゚*ζ「…あれはただの夢じゃなかったんだ」

( ^ω^)「というわけで、殺すのは止めるお。でも、祟ることは止めないお。生きながらえてずっと不幸な人生を歩ませるってのも一つの祟りとしてありだしね」

ζ(゚ー゚*ζ「すごい優しい笑顔で怖いこと言ってるね…」

( ^ω^)「ただし、ニュッ君。
君に免じて今回はここまでにしておくけど、もし君の妖力でデレちゃんを守れなくなった時は、この子は死ぬお」

( #^ν^)「そんなこと言われなくたってわかってるっつーの」

( ^ω^)「ま、せいぜい頑張ると良いお。んじゃ、僕はこれで。おっおっおっ」

39 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:46:02 ID:aerNZabo0

( #^ν^)「腹立つ奴だ…」

ζ(゚ー゚*ζ「…ニュッ君は、ずっと私を守ってくれてたんだね」

( ^ν^)「ふん、…俺に祟る力なんてねーよ、残念ながらな」

ζ(゚ー゚*ζ「なんであの時、私の不幸体質は自分のせいだなんて言ったの?」

( ^ν^)「…俺がもっと強かったらお前の不幸体質もなんとか出来たはずだからな、お前が生まれてから12年、なんとか不幸体質を治そうとしたがダメだった。俺の力不足だ」

ζ(゚ー゚*ζ「あの時トラックが突っ込んで来たのはなんで?」

( ^ν^)「俺がお前を守る妖力を一旦止めたんだ、トラックが突っ込んでくる直前にまた妖力で守ったからトラックはお前に突っ込まなかった」

ζ(゚ー゚*ζ「なるほどなぁー」

( ^ν^)「ちなみに、幼稚園からお前と一緒にいるのはお前を守るためには近くに居ないと守れないからだ。だからお前が結婚するとしたら、あんまり遠くに行かれると困る」

40 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:46:49 ID:aerNZabo0

ζ(゚ー゚*ζ「あぁ、それは大丈夫、問題ない」

( ^ν^)「そうだな、不幸体質だから結婚できないもんな」

ζ(゚ー゚*ζ「ニュッ君と結婚するから問題ないよ」

( ・ν・)「!?」

ζ(゚ー゚*ζ「わー、ニュッ君、面白い顔」

( ;^ν^)「おま、お前、何言ってんだ!?俺は妖怪で、お前は人間で…バカだからそんなことも忘れたのか?」

ζ(゚ー゚*ζ「覚えてるよー。私よりも何百年も長生きしてるんだよね」

( ;^ν^)「だったら…」

ζ(゚ー゚*ζ「でも、ニュッ君のことが好きだし他の人に興味持ったこと無いし、これからも興味持てないよ。ずっと昔から、ニュッ君が私を祟ってる妖怪だったとしても私はニュッ君のこと好きだったし」

( ;*^ν^)「…す、好きって、お前は…」

41 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:47:29 ID:aerNZabo0

ζ(゚ー゚*ζ「私がおばあちゃんになったら、ニュッ君、私のこと食べて良いよ」

( ;^ν^)「はあぁ!?」

ζ(゚ー゚*ζ「そしたら妖力手に入るんでしょ?だからいいよ、食べて」

( ^ν^)「……餓死したとしても、てめぇだけは食わねぇ。絶対に」

ζ(゚ー゚*;ζ「えー、何それ酷い」

( ^ν^)「お前食うより、お前の作る飯食う方がよっぽどマシなんだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「そっか、じゃあ結婚したら毎日料理作るね」

( ^ν^)「…今と変わらんな」

ζ(゚ー゚*ζ「たしかにね」

42 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:48:36 ID:aerNZabo0

ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、ニュッ君」

( ^ν^)「なんだよ」

ζ(゚ー゚*ζ「いつも守ってくれてありがとうね、これからもよろしくね」

( ^ν^)「…七代前に約束しちまったからな。守ってやるよ、仕方なくだけどな」

ζ(゚ー゚*ζ「えへへ、ありがと」

( ^ν^)「ふんっ」

43 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2015/08/09(日) 03:49:32 ID:aerNZabo0




ζ(゚ー゚*ζ七代先まで守るようです( ^ν^)



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