185 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:51:33 ID:reDjZKYk0
4本目、投下させて頂きます。


  .,、
 (i,)
  |_|

186 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:52:20 ID:reDjZKYk0
俺は鬱田ドクオ、絶賛夏休み中の大学四年生。
大学生活はいじめられはしないものの、ボッチ生活をしている俺に遊ぶ友達などいる訳もなく、
夏休みは1人でゲーム三昧の生活をおくっている。就活?そんなもんは知らん。

カチャカチャ

('A`)「…あー、くそっ、ラスボス倒せねぇ」*

こんな非生産的な生活だが、イジメを受けていた中学生の時に比べれば幸せだ。

('A`)「…本当、アイツ死なねぇかな」ボソッ

ラスボスキャラの憎たらしい笑顔が、中学の時のいじめっ子を彷彿させる

('A`)「俄然このラスボス倒したくなってきたな」

ゲームのキャラに重ねて復讐するなんて、俺は何て惨めなんだろうか

まぁ、でも現実でいじめられっ子が復讐劇を繰り広げるなんて話は無理な話な訳で…

187 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:53:55 ID:reDjZKYk0
カチャカチャ

(;*'A`)「……よぉしゃあああ!倒したぁああ!」

あれから2時間かけてやっといじめっ子に似たラスボスを倒すことができた、あぁ、すっきりした!

(*'A`)「ははは、ざまぁみやがれ!内藤め、現実世界でもくたばっちまえ!」

( ^ω^)「お前、相変わらず根暗だおねぇ」

(*'A`)「うっせー!ゲームくらい復讐させ……!?」

俺には自分の部屋に呼ぶような友達は居ない、つまり、俺はこの部屋に1人だ。
だから背後から声がするなんてそんなことは無いわけで、
しかもそれが中学の時のいじめっ子の声にそっくりだなんてただの気のせいで、振り返れば誰も居ないってオチに決まって…

('A`;)クルッ

( ^ω^)「お望み通り、現実世界でもくたばったお」

ニヤリ、と笑ったその憎たらしい顔はどんなことがあっても忘れられない、いじめっ子、内藤の顔だった。

188 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:54:47 ID:reDjZKYk0



('A`)ささやかな復讐を、のようです ( ^ω^)

.

189 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:55:33 ID:reDjZKYk0
(;'A`)「ななななんでお前、俺の部屋に!?どっから入った!?」

( ^ω^)「お前のお望み通りくたばったからだお、つまり、僕は幽霊だから壁なんか通り抜けちゃうんだお」

内藤がくたばった?幽霊?訳がわかんねぇ…でも、こいつは現在おれの目の前に居るし…

(;'A`)「お、お前が幽霊だとしても何で俺の部屋に来たんだよ…!」

( ^ω^)「おっおっ、中学の時みたいにドクオにパシリになって貰おうと思って来たんだお」

(#'A`)「ふざけんじゃねぇ!お前の言うことなんて聞くわけねぇだろ!」

( ^ω^)「…そんなこと言っていいのかお?僕はもう死んじゃったから法律とかに縛られないんだお?
だから、ドクオを殺しちゃってもなんら問題ないんだお?」

ぞわり、と身体中に鳥肌が立った
こいつ本気だ…

(;'A`)「ちくしょうが…くたばっても変わんねぇのかよ、テメェはよ…」

( ^ω^)「おっおっおっ、ドクオも相変わらず口の悪さは治ってないみたいだおね。
高校からは別々になっちゃったから性格変わっちゃったか心配だったけど、良かったおー」

全く良くない、俺はコイツのせいで性格がひん曲がったと言っても過言ではないのだから

( ^ω^)「で、パシリになってくれるおね?ドクオ」

('A`)「人を殺せとかは無理だぞ…」

( ^ω^)「そんなことパシリに頼まないお、なぁーに、ドクオでも出来る簡単な事だお」

取り敢えずは安心した、コイツなら人を殺せとか普通に言いそうだから

('A`)「じゃあ、なんだよ」

( ^ω^)「ちょっと伝言を頼みたいんだお」

('A`)「伝言?自分で伝えりゃいいじゃねーかよ」

( ^ω^)「無理だったんだお」

('A`)「無理って、どういうことだよ」

( ^ω^)「僕のことが見えるの、ドクオだけだったんだお」

…神様、どうして俺なんですか

190 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:56:32 ID:reDjZKYk0
( ^ω^)「だから、伝言よろしくだお。その未練さえ無くなれば僕はさっさと天国に行くお」

('A`)「お前みたいなのは地獄行きだろうよ」

( ^ω^)「まぁ、天国でも地獄でも構わないお。行くべきとこに行くお、だからパシリになってくれお」

コイツが地獄に行くのは確定だ、それに取り憑かれたり、ましてや呪い殺されるなんてまっぴらごめんだ。
それならさっさとパシリになって、地獄へ行かせてやるのが良いだろう

('A`)「分かったよ、パシリになってやるよ」

( *^ω^)「ありがとうだお、ドクオ。お前ならなってくれるって信じてたお」

('A`)「嬉しくねぇ。…それで伝言って誰に何を伝えりゃいいんだ?」

( ^ω^)「ツンに伝言を伝えて欲しいんだお」

(;'A`)「…え?ツンって、津出のことか?中学の時同じクラスだった…」

( ^ω^)「そうだお、覚えてたかお」

('A`)「当たり前だろ、同じいじめられっ子仲間だったからな」

191 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:57:16 ID:reDjZKYk0
そう、津出は俺と同じくいじめられっ子だった。違ったのはアイツは美人過ぎて、女子達から嫉妬でいじめられていたと言うことだ。
俺は気持ち悪くていじめられていたから正反対な理由だ。

('A`)「しかし何でまた、津出に伝言なんか…」

( ^ω^)「僕たち付き合ってたんだお」

('A`)「へー、そうなのか」

まぁ、津出なら彼氏いてもおかしくないよなー

(;'A`)「…ん?」

( ^ω^)「あ、もう死んじゃったから過去形だおね」

(;゚A゚)「ちょっとまて、付き、付き合ってたあぁああ!?ええええ!?お前とあの津出が!?いつから!?」

( ^ω^)「高校から付き合ったんだお」

(;'A`)「信じられねぇ…あんな人形みたいな可愛い奴がお前なんかと付き合うなんて…」

( ^ω^)「そんなことはどうだって良いんだお、ドクオは伝言伝えることだけ考えろお」

どうでも良くねぇ…ふざけんなよ、神様。なんでこんないじめっ子の内藤がリア充やって、俺は彼女いない歴=年齢なんだよ…

192 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:58:02 ID:reDjZKYk0
(#'A`)「くそが…」

( ^ω^)「ほら、今から伝言内容言うからメモれお」

コイツのパシリなんて本当はやりたかねぇが、恋人に先立たれた津出は可哀想だ。ちゃんと伝言伝えてやるか…

('A`)「わぁったよ、ほら、ペンと紙用意したからさっさと始めろ」

( ^ω^)「えー、ゴホン。ツン、僕は君に前々から言わなきゃいけないことがあったんだお。そのことを今から伝えるお」


('A`)φ「どーせ愛してるよとかだろ、くっせーなー」カキカキ

( ^ω^)「僕、君のこと本当は全く好きじゃなかったんだお」


('A`)φ「ほら、思ったとおり…」カキカキ


…あ?

193 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 21:58:47 ID:reDjZKYk0
( ^ω^)「ただ顔がまぁまぁそこらの女子より良かったし、
君はクラスの男子からも人気があったからステータスになると思って付き合っただけなんだお」

(;'A`)「おい、内藤、ちょっと待て」

( ^ω^)「だから、生前に君が言ってた『ブーンが先に死んじゃったとしたら私は他の人とは付き合わないし、勿論結婚もしないよ』
とか本当うんざりしてたんだお、はっきりいって気色悪かったお」

('A`)「…」

( ^ω^)「はた迷惑と言うか、正直重かったんだお、こっちはただのステータスで付き合ったお遊びだったのに。
だからさっさと僕のことなんか忘れて欲しいお、気持ち悪い、んじゃ、永遠にさよならだお」

( ^ω^)「…と、言うことを伝えて欲しいだお」

(#゚A゚)「んなこと言えるか、クソが!!!」

194 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:00:38 ID:reDjZKYk0
( ^ω^)「おっ?なんでだお」

(#;'A`)「おまっ、お前、本当人間のクズだな!津出みたいな純情な奴を弄びやがって…!」

( ^ω^)「じゃあお前にやるお、僕には重すぎるんだお、あの女」

神様はどうしてこんな人間を今まで生かしていたのか、もっと早くに殺すことは出来なかったのか!?

(;'A`)「っていうか、こんなこと伝えられる分けないだろ!津出が受けるショックを考えろよ!」

( ^ω^)「そんなこと、僕には関係ないお」

('A`)「クズもそこまで行くと悪魔だな…」

( *^ω^)「おっおっおっ、褒め言葉にしか聞こえないお」

(;'A`)「…とにかく、ダメだ。この伝言は伝えられない」

( ^ω^)「チッ、使えないやつだおー。こんなことも言えないとか、ゴミクズ以下だお」

('A`)「テメェには言われたくねぇよ」

( ^ω^)「…伝えられないなら仕方ないお、他のことで名誉挽回しろお」

(;'A`)「名誉挽回ってなんだよ、それ。訳わかんねー奴だな…」

( ^ω^)「次のは本当に簡単だお、誰も傷つけないし」

('A`)「…本当だろうな」

( ^ω^)「本当だお。むしろドクオが何とかしてくれないと、ツンが傷付くことになるんだお」

('A`)「なんだよ、それ。どういうことだよ」

195 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:01:43 ID:reDjZKYk0
( ^ω^)「僕の部屋に、ツンに渡すはずだった物が置いてあるからそれを捨てて欲しいんだお。
親に見つかって、代わりに渡されちゃたまんないんだお」

('A`)「渡すはずだった物ってなんだよ」

( ^ω^)「別れ話の時に渡そうと思ってた奴で、今までツンから貰った物が入ってるんだお。突き返そうと思ってたんだお」

(;'A`)「信じられねぇクズだな…」

( ^ω^)「で、捨ててくれるかお?」

('A`)「お前のためじゃなくて津出のためにな」

( *^ω^)「ありがとうだお、じゃあ早速行こうお」

(;'A`)「は?早速って、もう夜だぞ。明日でいいだろ」

( ^ω^)「今ちょうど葬式やってるんだお、だからまだ僕の部屋はいじられて無いお」

(*'A`)「まじかよ、お前の葬式が見れるなんて滑稽だな!よし、いこう」

( ^ω^)「おっおっおっ、その口の悪さだけはいつまでたっても治らなそうだおね」

196 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:02:47 ID:reDjZKYk0
一応葬式に行くのでスーツに着替え、捨てなきゃいけない物の量や大きさが分からないから車で行くことにした。


('A`)「よーし、飛ばすぞ」ガチャ

( ^ω^)「ドクオが車持ってたなんて意外だお」

('A`)「誰ともあそばねぇでバイトばっかしてたからな。車買うとかしか使い道なかった」

( ^ω^)「寂しい奴だおね、友達の一人や二人も作れないなんて」

('A`)「うっせーな」

197 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:03:30 ID:reDjZKYk0
('A`)「それにしても風が気持ちいいな、やっぱりドライブ最高だわ」

( ^ω^)「…ドクオ、安全運転に気をつけるんだお」

('A`)「あぁ?んなこと言われなくたって分かってるわ」

( *^ω^)「おっおっおっ、ならよかったお」

いつもニヤケ顔の内藤が、一瞬だけ真面目な顔した

('A`)「……なぁ、お前の死因って、もしかして」

( ^ω^)「あ、ほら、ドクオ、着いたお!車だと早いおねぇ」

('A`)「…まぁ、いいや。本当に葬式やってんな」

( ^ω^)「当たり前だお、車は裏の駐車場に置いて早く行くお」

('A`)「おう」

198 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:04:55 ID:reDjZKYk0
俺は同情なんかしない。内藤がどんな死に方をして死んだかとか、この若さで全て失ってしまったかなんてどうでもいい。

こんなクズな男、今まで生きてたのが罪だったのだから。

ただ今は自分が呪い殺されるのを回避するためと、可哀想な津出のためにパシリになっているだけなのだ

だから、内藤の葬式をみて少しなんとも言えない気分になったのは、そういうことなのだ。

( ^ω^)「あそこで挨拶してるのが母さんだお、事情を話して僕の部屋に入ってくれお。僕は先に部屋に入ってるお」

('A`)「分かった」

内藤の母親は遠くから見るだけでも、生気が抜けているのがわかった。そりゃそうだ、内藤は一人っ子だったし、こうもなるだろう。

199 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:05:42 ID:reDjZKYk0

(;'A`)「あの、ご愁傷様でした…」

('、`*川「どうも…あら、貴方は、ドクオ君かしら?」

(;'A`)「えっ?あ、その、はい」

なんで内藤の母親が俺のこと知ってんだ?

('、`*川「懐かしいわね、幼稚園の時にホライゾンにブーンってあだ名付けてくれたのドクオ君だったわよね。
あの子ったら、そのあだ名本当に気に入ってて、大学入ってからも使ってたのよ」

('A`)「…そう、だったんですか」

そうだ。そう言えば、俺はあいつと幼稚園の頃からの知り合いで、小学校低学年までは仲が良かったのに、
高学年からは俺を虐めるようになったんだった。嫌なこと過ぎてすっかり忘れてた

('、`*川「まさかドクオ君も来てくれるなんてね、あの子も喜んでると思うわ」

来たくて来たわけじゃないですよ、と言いたいのをグッとこらえる。内藤の母親に恨みはない

200 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:06:42 ID:reDjZKYk0
('A`)「あの、生前アイツに『もし僕が先に死んだら恥ずかしい本とかの処分頼んだお!』と言われてたんで、
約束を守りに来ました。ちょっと部屋入ってもいいですかね?」

('、`*川「あらやだ!そうなの?あの子ったら、恥ずかしいったらありゃしないわね、どうぞどうぞ、入ってちょうだい!
というか、うちの子が変なこと頼んじゃってごめんねー」

('A`)「いえいえ、大丈夫です」

('、`*川「私はまだ挨拶とかあるから、二階にあの子の部屋があるから一人で行ってもらえるかしら?」

('A`)「はい、一人の方が恥ずかしい本も見られないで済むので」

('、`*川「それもそうね、うふふ」

201 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:07:34 ID:reDjZKYk0
ガチャン

( ^ω^)「案外すんなり入れたみたいだおね」

('A`)「あぁ、俺は頭良いからな」

( ^ω^)「むしろ誇れるのは頭の良さだけだろうお」

('A`)「うっせーな。で、どこにあんだよ、捨てなきゃいけない物」

( ^ω^)「机の下にあるダンボールだお」

(;'A`)「なるほど、これか。結構でかいなー…」

( ^ω^)「色々貰ったから仕方ないんだお」

('A`)「まぁ、いいや。さっさと持ってくか」

( ^ω^)「あ、ちょっと待っててくれお」

('A`)「なんだよ」

( ^ω^)「自分の葬式、少しみてくるお。だれが泣いてるのかとか」

('A`)「悪趣味だなお前」

( ^ω^)「おっおっおっ、すぐ戻って来るお」

スッと壁を通り抜けて消えた。改めて本当に幽霊らしい…

(;'A`)「しかし、重いダンボールだな。一体今まで何を貰って来たんだよ」

…どーせ、捨てるんだから中身見ても良いだろう。もしかしたら本当に恥ずかしい本とかあるかもだし

(*'A`)「どぉーれ、何が入っているのかなぁっと」ガサガサ

202 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:08:15 ID:reDjZKYk0


ξ;;)ξ「ヒッグ…ヒッグ…!ああぁ、ブーン!ブーン!」

(;*゚ー゚)「ツンちゃん…」

(;´・ω・`)「可哀想にな、あんなになっちゃって…」ボソボソッ

从;゚∀从「自殺しなきゃいいけどな、ツンちゃん」ボソボソッ

( ^ω^)「…」

203 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:08:55 ID:reDjZKYk0
('A`)「おい、内藤」

( ^ω^)「ドクオ、もう来たのかお。今二階に行こうと思ったのに、せっかちな奴だお」

('A`)「…」

( ^ω^)「ん?どうかしたのかお?」

('A`)「津出に伝言、伝えてやるよ」

( ^ω^)「……おっ?いきなりどうしたんだお?」

('A`)「どーせ乗りかかった船だ、最後まで乗ってやるよ」

( *^ω^)「そうかおそうかお!それはありがたいおー!じゃあ、頼むお」

('A`)「おう」

204 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:11:33 ID:reDjZKYk0

ξ;;)ξ「ブーン…ヒッグ…」

('A`)「津出」

ξつ;)ξ「……ドクオ君?」

('A`)「久々だな、津出。内藤と付き合ってたとはビックリしたよ、まぁ、そんなことよりお前に言いたいことが」

ξ;;)ξ「私、ドクオ君に言わなきゃいけないことがあるの!」

('A`)「…俺に言わなきゃいけないこと?」

ξ;゚听)ξ「そう、中学の時にブーンがドクオ君を虐めてた真相を!」

('A`)「…真相?」

ξ;゚听)ξ「あの時、ブーン、本当はドクオ君のためにドクオ君のことをいじめてたの!」

('A`)「何言ってんだ、津出。お前、俺はMじゃねーぞ」

ξ;><)ξ「自分がドクオ君をいじめることで他のいじめっ子から守ってたの!」

('A`)「……」

んな訳、あるはずが…

205 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:12:22 ID:reDjZKYk0

爪'ー`)y-『鬱田、金よこせよ、金』

('A`)『…金なんかねーよ、不良共が』

爪#'ー`)y-『テメェは本当、口の聞き方がなってねーな!金がねぇーって言うなら、ボコられても文句は言えねーよな、あぁ!?』

( ^ω^)『待つお』

爪#'ー`)y-『あぁん?!』

( ^ω^)『そいつは僕がいじめてる子なんですお、手出さないでくださいお』

爪#'ー`)y-『はぁ?意味わかんねぇこと言ってんじゃねーぞ?』

( ^ω^)『僕はドクオを精神的にジワジワいたぶって社会的に抹殺したいんですお、
言うなれば実験、ドクオはモルモットですお。モルモットには健康で居てもらわないといけないんですお、
だから怪我をさせるようなことはしないで欲しいんですお』ニッコリ

爪;'ー`)y-『…ブーン、お前相変わらずの悪趣味だな。分かったよ、俺の代わりにコイツちゃんと躾けとけよ』

( *^ω^)『了解ですお』

(;'A`)『…内藤、助けてくれたのか?』

( ^ω^)『んなわけねーだろうお、パン買ってこいってパシリさせたのに帰ってこないから見にきただけだお。さっさと買ってこいお』

('A`)『分かってたよ、お前はやっぱりそういう奴だよな…』

( *^ω^)『おっおっおっ』

206 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:13:08 ID:reDjZKYk0

津出の後ろで腹を抱えて笑っている内藤が見えた、「そんなわけねーだろうお」
と爆笑している。

('A`)「…やっぱりあいつはただのクズだと思うぞ」

ξ;゚听)ξ「それは、ブーンは不器用なだけで…!」

('A`)「だから、そーいうとこがクズだと思うんだよ」

ξ;゚听)ξ「ドクオ君…」

相変わらずシュンとした顔も可愛いな、津出。内藤の伝言伝えるの嫌になってきたぜ…

('A`)「…まぁ、いいや。俺はそんな話を聞きたいわけじゃないんだ。お前に内藤から伝言があるんだ」

ξ;゚听)ξ「ブーンが、私に?」

内藤がニヤニヤしている、本当クズ野郎だ。

207 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:14:32 ID:reDjZKYk0
('A`)「おう、伝言っていうか…はい、これ」

ξ゚听)ξ「…この小さい箱は何?」

内藤のニヤケ顔が一瞬にして固まった、ざまぁみやがれ

('A`)「開けて見ればわかるよ」


ξ;゚听)ξ「う、うん…」パカッ

ξ゚听)ξ

ξ;听)ξ

ξ;;)ξ



「……あぁ、ブーン…!!!」

208 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:15:15 ID:reDjZKYk0
津出は箱を、正確には箱の中に入っていた指輪を抱きしめて泣き崩れてしまった。
ごめんな、津出。お前を泣かすつもりはなかったんだけどな、俺。

ξ;;)ξ「私にはブーン、貴方しか居ないのに、どうして私を置いていってしまったの、ブーン…!」

内藤は津出を見下ろしながら、今まで見た顔で一番の苦々しい顔で

( ^ω^)「…本当、うぜぇお」

と呟いた。

209 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:16:01 ID:reDjZKYk0
俺には津出を慰める権利はないから騒ぎが大きくなる前に逃げ出してしまった。
…約束通り、親に見せるには恥ずかしい本は持ち出してきてやった。

('A`)「…つーか、お前までなんで車のってんだよ、内藤」

( ^ω^)「どうしてツンにアレを渡したんだお」

('A`)「俺のささやか復讐劇を展開したんだよ。津出には悪いことしたけどな」

( #^ω^)「ふっざけんなお!アレじゃツンは他の人と付き合えないじゃないかお!!」

('A`)「……はぁー、お前さぁ、不器用もほどほどにしとけよ?」

( ^ω^)「別に僕は不器用なんかじゃないお」

('A`)「ざけんな。お前のその発言、どう考えたって津出のこと好きってことじゃねーかよ」

( ^ω^)「…」

210 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:16:43 ID:reDjZKYk0
(;'A`)「なんで気づかなかったのかなぁ…俺。
中学の時虐められてたはずだったけど、そう言えばお前にパシリとか物隠されたぐらいしかされたことなくて、
他の不良から目付けられても実質的な被害は被ってなかったもんなぁ…」

( ^ω^)「…それは僕のターゲットに手出させたくなかっただけだお」

(* A* )「うっせーよ、不器用野郎が。お前はもっと分かりやすく生きろよ…ふざけんなよ、本当に…」

( ^ω^)「……泣いてるのかお?」

(;A; )「うるせーよ!バーカ!」

( ^ω^)「…ドクオ」

(つA;)「なんだよ、今こっちみたらぶっ殺すぞ」

( ^ω^)「友達、がんばって作れお」

(つA⊂)「…っせーよ、お前に言われなくたって友達の一人ぐらい居るんだよ、俺だって」

( *^ω^)「おっ!?そうなのかお?名前はなんて言うんだお?」

('A`)「俺の友達の名前は…」






「ブーン」




ニヤリ、といつも笑っていた憎たらしいいじめっ子は、ふにゃりと涙を堪えた笑顔をして「ありがとう」なんて言い残して、消えて行った。

212 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:18:08 ID:reDjZKYk0
あいつの行く先は地獄なのだろうか、それとも天国なのだろうか?

分からないが、恐らく俺が死んだらアイツと同じ所へ行くのだろう。

なんたって俺たちは

( ;A;)「くっそ、あっちに行った時は、ボコボコにして復讐してやる…」


いじめっ子といじめられっ子と言う、少し変わった友達だったのだから

213 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/08(金) 22:18:56 ID:reDjZKYk0

4本目、お終い。

  (
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