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480 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:52:23 ID:vFkhjvcoO
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.,、
(i,)
|_|
十九本目
( ゚д゚ )こっちを見ているようです
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481 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:53:34 ID:vFkhjvcoO
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河内ミルナは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏なミルナは今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
( ゚д゚ )「疲れたな……」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをしてもミルナは幸せだった。生きているだけで幸せだった。
( ゚д゚ )「今日はもう寝るか…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきったミルナの身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
寒気を感じミルナは天井に目をやった。
( ∵)
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミがこっちを見ている。
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482 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:54:42 ID:vFkhjvcoO
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とたんにミルナは可笑しくなった。
( ゚д゚ )「なんだ、ただのシミじゃないか!はははは!」
こんな物を怖がっていたのか。つくづく自分の臆病さには呆れてしまう。
明かりをつけて、まじまじとそのシミを見て、そして安心したミルナはもう一度、布団に潜った。
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483 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:55:34 ID:vFkhjvcoO
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今日も店で働くミルナ。
( ゚д゚ )「ありがとうございましたー!」
バイトも1年は経っただろう。愛想笑いも板についてきた。
( ゚д゚ )
ふと、ミルナは違和感を感じた。昨日の夜感じたような違和感だ。
( ∵)
こっちを見ている。昨日のシミにそっくりな顔をした人が、こっちを見ている。
( うд⊂)
気の迷いだ。疲れてるんだ。そう自分を納得させると、目の前でぽつんと立っていたシミのような顔をした男は消えていた。
( ゚д゚ )「…ただいま…って、誰もいない、と」
ミルナは今日も疲れていた。あのシミのような顔をした人の事で頭がいっぱいだったからだ。
風呂に入り、飯を食べ、いつものように布団に潜る。
( ∵)
やはりこっちを見ている。
ミルナは枕に顔を埋めて眠った。
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484 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:56:52 ID:vFkhjvcoO
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ミルナはバイト仲間の長岡と出掛けていた。
( ゚∀゚)「ミルナさん、腹減ったっすね」
( ゚д゚ )「そうだね」
( ゚∀゚)「昼どうします?」
( ゚д゚ )「…ファミレスとかでいいんじゃない?」
( ゚∀゚)「カレー食いに行きましょ、カレー!」
( ゚д゚ )「じゃあ、そうしようか」
シミの事など忘れていた。
はずだった。
( ∵)「ご注文は?」
( ゚∀゚)「あ、俺ハンバーグカレーで」
( ∵)「ハンバーグカレーがお一つ」
そいつは長岡の言葉に答えている。しかし、視線はこちらをじっと見つめている。
( ゚д゚ )「…お、俺帰る」
( ゚∀゚)「へ?」
( ゚д゚ )「ちょっと…気分悪くなっちゃった」
( ゚∀゚)「そりゃないっすよ!今日はミルナさんのおごりで…」
( ゚д゚ )「金は置いとく!」
ミルナは5000円札をテーブルに置き、店から逃げるように走った。
( ゚∀゚)「ちょw何なんだよww」
川 ゚ -゚)「ご注文を繰り返します、ハンバーグカレーがお一つ、以上でよろしいですね?」
( ゚∀゚)「あ、はい」
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485 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 20:58:04 ID:vFkhjvcoO
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何で、何で、何で。
ミルナの頭にはその言葉しか無かった。
家に帰った。そして枕に顔を埋めた。
ピンポーン
チャイムが鳴る。
ミルナは恐る恐るドアを開けた。
( ∵)「あ、どうも…お届けものです」
あいつだ。
( ∵)「印鑑お願いします」
まただ。
ミルナは足早に印鑑を押して、すぐにドアを閉め、布団に潜った。
いつの間にか寝てしまっていたようだ。空が暗い。
ミルナは布団からもぞもぞと出て、時計を見た。
夜2時。
ミルナは視線を感じた。
( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)
一つではない。たくさんの目がこちらを見ている。
ミルナは怯え、泣きながらもう一度布団に潜った。
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486 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 21:00:02 ID:vFkhjvcoO
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ミルナは今日も仕事に行く。何があろうと決して休まない。それはミルナが子供の頃から続けていた事だ。
( ゚д゚ )「おはようございます……」
( ∵)「あっ、ミルナさんおはようっす!昨日のカレー美味しかったっすよwwwwwミルナさんも帰らなきゃ良かったのにww」
( ∵)「河内さん…少し、やつれてませんか?」
( ゚д゚ )「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
ミルナは店から抜け出した。怯え、恐れ、半泣きで雨の中を走った。
( ∵)
ここにも。
( ∵)
そこかしこに。
( ∵)
あちこちに。
そいつはいた。
( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…」
ミルナは狂ったように笑い出した。
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487 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 21:01:02 ID:vFkhjvcoO
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( ゚д゚ )「あ…ははは…あはははは…あはははははは」
ミルナはもう笑うしか無かった。
そして、恐怖から逃れようと
目を、潰した。
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488 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 21:02:44 ID:vFkhjvcoO
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内藤ホライゾンは親の元を離れ、独り暮らしだ。
バイトをしながらの生活でお世辞にも裕福な生活ではない。
貧乏な内藤は今、格安のアパートに住んでいる。曰く付きだろうがなんだろうが安くて寝床と風呂があればそれでよかった。
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489 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 21:03:08 ID:vFkhjvcoO
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( ^ω^)「疲れたお…」
近所付き合いが無く、寂しくて、職場で叱られ嫌な思いをして、内藤は疲れきっていた。
( ^ω^)「今日はもう寝るかお…」
風呂に入り、飯を食べ、電気を消し、布団に潜る。暖かい布団は疲れきった内藤の身体を癒すには充分だった。
眠れない。目が冴えているのだろうか。しかし身体は疲れきっているし瞼は重たい。
何か違和感を感じる。何だ?
視線…?…誰かが、こっちを見ている?
内藤は天井に目をやった。
( ゚д゚ )
天井に浮かぶ大きな顔のようなシミが、こっちを見ていた。
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490 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/15(金) 21:04:32 ID:vFkhjvcoO
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(
)
i フッ
|_|
( ゚д゚ )こっちを見ているようです