951 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 02:59:03 ID:b08FoNhc0

四十六本目

人体幻視行のようです。


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952 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:01:31 ID:b08FoNhc0
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かつてぼくが本で読んだ言葉の中に、以下のようなものがあった。


『人の身体を構成する器官は、そのほとんどが生涯において、日の光を浴びることはない』


人体のうち白日の元に晒されているのは、皮膚、眼球の一部、耳朶、唇、爪、もろもろの体毛と極僅かであり、その他の部位は一生日の目を見ることなく、その生涯を全うするのだそうだ。

ぼくはその言葉を初めて読んだとき、人の内腑に広がる遠大な闇を想像して、うっとりしていたものだった。

どんな老若男女、美男美女醜男醜女であろうとも、その肉の内側に一点の光明も艶めきもない、黒暗淵(やみわだ)を持っている。

想像してほしい。一切の明かりのない場所で、課せられた本能のままに日夜蠢く臓器たちを。その臓器たちを動かすために一心不乱に循環する、無数の色を持った体液たちを。

人は皆自覚のあるとなしとに関わらず、その内に光すら差さない闇を抱えている。

その事実、その量感、その言霊が、ぼくの心の柔らかな部分で、事あるごとにかそけく波打つのだ。

まぶたの裏にこそ真の闇はあり、そして己の内側にこそ真の深淵は存在しうる。 そう思うだけで、得体の知れない興奮がぼくの身を包むのである。

ぼくの知らない場所でぼくを生かすために動くそれらの物たちを、ぼくは死ぬまでこの目に捉えることは叶わないのだ。

長年そんな思いを抱えていたからだろうか。ここ数日ぼくの頭は、おかしな具合に変調をきたしてしまったようだった。

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953 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:03:58 ID:b08FoNhc0
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ぼくがその異変に気づいたのは、部屋の隅に転がる、何の変哲もない小さな綿埃を見つけた時だった。

木造平屋の、一人暮らしには少々手広すぎる一軒家がぼくの住み処である。とても多いとは言えない遺産と共に、ぼくが両親から譲り受けた数少ない物の一つだ。

仏間の畳は毛羽立ち、板間の板は歩けばギシギシと音を立てたが、それでも長年住んだ分だけ、それなりに愛着のある家だった。

独り身の男にありがちなように、お世辞にも我が家は片付いているとは言えない。それ故に、埃が立つことくらいはさして珍しい現象でもない。

それなのに、ぼくがその埃に目を取られてしまったのは、そこにぼくの部屋には通常あり得ない、異質なものが混ざっていたからかもしれない。

出かける準備をしたぼくの足元に、風もないのにどこからともなくころころと埃が転がって来る。

その埃を何の気なしにつまみ上げると、雑多な灰色の中に一筋だけ、鮮やかな色みが混ざっている。

埃の中からその色みを探り当てて思いきり引っ張ると、小さな摩擦音を立てて、ぼくの指の間からでろりと人毛がぶら下がった。

恐らくは人の毛髪だろう。 指でつまむのが困難なほど小さい綿埃から、驚くほど長い金髪が姿を現した。無論それは、ぼくのものとは髪質も色も全く違う。

よくよく観察してみれば、その髪の毛にはキューティクルも毛根も存在しているようだ。つまりこれは、カツラや人工毛のような作り物ではないということになる。

冷蔵庫の裏に溜まっていた埃が、コンプレッサーの動きに合わせてまろび出てきでもしたのだろう。そう思い、まじまじと眺めていた髪を、埃ごと丸めて塵箱へ捨てた。

その金髪の持ち主が誰なのかは、可能な限り考えないようにした。

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954 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:06:31 ID:b08FoNhc0
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家を出てしばらく歩くと、商店街の古めかしいアーケード通りがある。そこでもぼくは、奇妙な物を目撃した。

特に注意を払うべくもなく歩いていたせいか、何か柔らかな物を踏んづけてしまったのだ。

さては犬の糞でも落ちていたかと恐る恐る足をどけてみると、ころりとした眼球が靴の下から転がり出てきた。

眼球。どこからどう見ても、完全に眼球である。

どこかに瑞々しさを保ったまま、思いがけないほどの弾力でもってぼくの足の裏から自己主張をしている。

ぼくは数瞬、眼球と見つめ合った。何故だかは分からないが、その一瞬でぼくはそれが作り物の類いではないことを、本能的に悟っていたように思う。

瞳の色は青いが、表面にまとわりつく血管は赤い。そして本来なら脳へと繋がっているはずの太い視神経が、やる気無さげに球の末端から垂れ下がっていた。

頭では理解できていたはずのそれら眼の仕組みも、現物の生々しさを知ればどこかへ吹き飛んでしまうものらしい。

まだ生きて何物かを見ているかのごとく、眼球はギョロリとぼくの顔を睨む。

ぼくはそれを思いきり踏みつけにすると、眼球が潰れずに形を留めているのを確認してから車道へと蹴り飛ばした。


『先生……』


どこか遠くの方からぼくを呼ぶ声が聞こえたような気がしたが、恐らくは気のせいだろうと思った。

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955 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:08:36 ID:b08FoNhc0
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しばらく歩くと、再びぼくの歩みを止める物が見つかった。

三叉路の合流地点にある横断歩道の前で、ふと感じた違和感に頭を上げる。

ぼくのいる場所の対岸にある歩行者用信機の、赤のマークがやたらに毒々しい気がしたのだ。

目を凝らしてよくよく見てみると、微かではあるが赤い色が動いているのが分かる。

しばし観察を続け、その動きが命ある物に付き物の、脈動だということに気づいた。

人の脈拍の元となる臓器。それはもちろん心臓に決まっている。

世界広しと言えども、信号機の赤い部分に人の心臓が嵌め込まれている奇妙な図など、ぼく意外に見たことはないだろう。

他の通行人の邪魔になるのも構わず、ぼくは文字通り脈絡なく現れたその心臓を、食い入るように見つめた。

大中小の血管、そして蠢き躍動する無数の筋肉。それらの密集した塊が、確かにそこにはあった。

心臓はぼくに見られていることなぞお構い無しに、実に堂々と動いていた。さすがに臓器の王様と言われるだけのことはある。

しかし一体あの心臓は、あの場所で拍動しながら、どこへ血液を送り続けているのだろう。

まさか信号機そのものに血液なぞはあるまい。ではあの心臓は、全く無駄な動きにその能力を費やしているのだろうか?

それを思うとぼくはなんだか虚しい気持ちに苛まれ、目線を心臓から外してやることにした。

やがて信号は青へと変わり、ぼくはそれまでのことがなかったかのように、通行人に紛れて歩き出す。



ξ ⊿ )ξ「先生」



横断歩道の反対側から、ぼくへ向かって手を振り走りよってくる少女のことを、ぼくは華麗に無視していた。

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956 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:10:29 ID:b08FoNhc0
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それからまたしばらく歩くと、今度は不意に空模様が怪しくなり始めた。

空がゴロゴロと鳴っている。今はまだ遠雷だが、しばらくすれば雨が降ってくるだろう。

そう思ってから間もなく、雨宿りする場所を確保する暇も与えられずに、唐突に雨は振り出してきた。

わたわたとうろつき、ともかく雨に濡れない場所をと思っていると、ぼくの額にも当然のように雨粒がぶち当たった。

反射的に額を拭い、これもまた反射的に拭った手を見る。その手が何故か、乳白色に染まっている。

三度反射的に空を見上げると、色とりどりの液体が、宙から地面へと落ちてくる最中だった。

たん、と一滴落ちたそれは、地面を茶色く染めた。

てん、と一滴落ちたそれは、地面を赤黒く染めた。

とん、と一滴落ちたそれは、地面を黄色く染めた。

それが何であるのか理解するのに時間がかかってしまったが、ほどなくして雨がどしゃ降りに変わるのを見て、ようやくぼくは納得する。

白色は、母乳。

茶色は、胆汁。

赤色は、血液。

黄色は、胃液。

空から降る数億の雨粒は、人の身体を流れる体液へと変貌していたのだ。

ぼくはやっと見つけたボロコンビニの軒先で雨宿りしながら、その体液の乱舞をぼんやりと眺める。



ξ ⊿ )ξ「……」



いつの間にかぼくの隣で雨宿りしていた少女に、ぼくは一瞥もくれなかった。

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957 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:12:14 ID:b08FoNhc0
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オンボロコンビニの軒先で、ぼくは今日自分が見たものについて、少しだけ考える。

今もなお降りしきるこの体液色の雨は、果たして本当に現実なのだろうか。

そしてぼくはその答えを既に持っている。こんな非現実的な物が、現実のはずがないのだ。

何故ならぼく以外の誰も、この雨を見て驚いたりするような素振りを見せなかったのだから。

体液色の雨にまみれているはずのサラリーマンも、心臓の横断歩道で隣あった買い物帰りの主婦も、眼球を見つけた通りですれ違った若者も。

常と何一つ変わらない風で、恐怖や驚嘆なぞ微塵にも感じていなかったのだから。



ξ ⊿ )ξ「そんなの、当たり前じゃない」



いつの間にかぼくの背後に回っていた少女が、ぼくの首に腕を回しながらそっと囁く。



ξ ⊿ )ξ「だってこれは、人を殺した人にしか見えない幻覚なんだから」



あぁ、分かっている。分かっているよ。ぼくは心の中で、ぼくの殺した少女へ向けて何度もそう呟く。

そうしている間にも、巷にはぞろぞろと臓器が溢れだし、もはや百鬼夜行と呼んでも差し支えの無い様相を呈していた。

大脳が、肝臓が、大腸が、膵臓が、肺が、脾臓が、膀胱が。

大腿骨が小脳が横隔膜がアキレス腱が鮃筋が膝蓋骨が前頭葉が環状動脈がリンパ腺が静脈血が鼓膜が中指骨がホーデンが子宮が中枢神経が軟骨が虫垂が亀頭が蝸牛器官が皮下脂肪が骨髄が肩甲骨が。

闇に隠れていたはずの人の中身が、この世に溢れ返ってくる。

ぼくはそれを、ぼくが殺した少女の幻覚と共に、黙って見ているしか出来なかった。

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958 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:14:20 ID:b08FoNhc0
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ぼくがその少女、津出玲子に対して記憶していることは、ごく僅かである。

はっきり言えることといえば、彼女は基本的に明るく、人付き合いも達者であり、それでいながら精神の根っこに、どこか病的なものを持っていたということだけだ。

誤解を恐れず言うならば、ぼくは彼女に、親子ほども歳の離れた少女に愛されていた。

何が彼女の琴線に触れたのかは、本人にしか分からない。ただある日突然、彼女の方から思いの丈を告げられたのだ。

あるいは大学の非常勤講師というぼくの立場も、彼女からすれば付き合いやすさを助長するものだったのかもしれない。

悪い気こそしなかったものの、ぼくは津出玲子に対して、いかなる感情も抱いてはいなかった。

ただ、どうやらぼくは彼女の恋情に対する執念を見誤っていたらしく、一度断ってからの彼女の再アピールには、凄まじいものがあった。

頼んでもいないのに弁当を作ってこられ、他の教員が見ている前で堂々と渡す。

おかげで学長から生徒と不純な関係を築いているのではと勘繰られ、こってりと絞られた。(大学生とはいえ彼女はまだ未成年である)

あるいは、大学の構内にも関わらず、ぼくの腕を取りベタベタと絡んでくる。

どれだけ離れろと言っても悪びれた風さえなく、露骨なボディタッチはどんどんエスカレートしていった。

そして、一週間前のあの晩。

どうやってぼくの住所を知ったのか、彼女はぼくの住む家へ現れ、あろうことかぼくと関係を結ぼうとしてきたのである。

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959 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:15:31 ID:b08FoNhc0
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結論から言えば、ぼくはその晩に彼女を殺した。

愛憎の縺れなどという複雑な理由からではなく、単なる利害の一致からである。

ぼくはぼくに抱いてほしいという彼女へ向けて、ぼく自身の異常な性癖を事細かに説明した。

人知れず蠢く臓器たちへの愛情、その隠微なる淫靡を、である。

ぼくは人を愛せない。ぼくが愛してやまないのは、人の内側にある暗闇だけだ。そう正直に告白した。

それは当然、彼女を諦めさせるための方便の意味合いが強かったのだが、驚いたことに彼女は、それでもなお食い下がってきた。

人の内臓しか愛せないなら、私の内臓を見て欲しい、愛して欲しい。そんな提案さえしてきたのである。

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960 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:17:17 ID:b08FoNhc0
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本来ならそこでぼくは、馬鹿なことを言うなと彼女をたしなめるべきだった。けれど、それが出来なかった。

恐ろしいことに、その時のぼくは彼女の提案に、大きく心を引かれていたのである。

彼女は言う。先生に殺されるなら、私はそれでも構わない。だから先生のそばへずっと居させて欲しい、と。

先生に迷惑をかけないよう、殺した後の死体はどこへ打ち捨てても構わないし、万が一警察にバレたら同意の上での殺しだったと遺書に書いておく、と。

もし捕まってもそれを見せれば、少しは情状酌量の余地があるはずだ。少なくとも、ただの快楽殺人よりは、遥かに。



ξ゚⊿゚)ξ「だからね、先生」


ξ゚⊿゚)ξ「先生の手で、私を殺していいよ?」


( ^ω^)



……ぼくはその甘い提案に、抗いきることができなかった。

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961 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:24:24 ID:b08FoNhc0
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今になって思い返せば、ぼくと津出玲子はその時、大きな勘違いをしていたのが分かる。

ぼくは内臓そのものを愛していた訳ではなく、暗闇においてその使命を忘れず蠢く臓器の、その健気さを愛していたはずだったのだ。

けれどぼくは、誘惑に負けた。

日の光に晒されることのない数多の臓物。それらをこの手で露にして、肉眼で見てみたい。

そんなおぞましい、刹那的な誘惑に、醜い欲望を強烈に刺激されてしまったのだ。

ぼくは無言のまま、津出玲子の細い首に手をかけた。最初から刺し殺しては、さすがに彼女も苦しかろうと思ったからだ。

その間彼女は、抵抗らしい抵抗をほとんどしなかった。その顔には、笑みさえ浮かんでいたような気さえした。

そうして彼女の腹を出刃包丁で割いた後に、ぼくの脳裏に湧いた感情は、後悔などという生易しい言葉では到底足りないものだった。

人を殺した罪悪感より、この少女を生かすと決められていた臓物たちを、無下に散らしてしまったことへの罪悪感が勝っていた。

明るいところで見る臓器は無残なほどに醜悪で、注視に耐える代物ではなくなっていた。

ぼくはこんなものを見るために、人一人を殺してしまったのか。こんなもののために、こんな、こんな……。

ぼくはトイレに駆け込むと、胃の中身が空になるまで何度も何度も嘔吐した。

何度嘔吐しても、足りなかった。

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962 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:27:42 ID:b08FoNhc0
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雨上がりの夕暮れの中を、少女の幻覚と歩く。それは出来るならば、彼女が生きている間にしてあげるべきことだったのだろう。

彼女への謝罪の言葉を、ぼくは持たない。何故ならぼくは、既に罰を受けているのだから。

闇にあって人を生かし続ける美しい器官たちは、日の光の当たる場所にあるだけで、こうも醜悪に変わり果てると知ってしまったのだから。

外へ出ながら結局何も買うことなく、ぼくはぼんやりと家路についた。

帰る道すがらにも、臓器たちはぼくの視界の中から消えてはくれない。ぼくはその事実を、徐々に受け止めつつあった。

我が家まであと僅かというところで、ぼくは自宅の前に、見慣れない車が停まっていることに気づく。

その車の横を通りすがる時、思いがけずその車の持ち主に、声をかけられた。

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963 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:30:38 ID:b08FoNhc0
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( ・∀・)「……内藤文吾さん、ですね?」


その車の運転席から出てきた男……小綺麗なスーツを着こなす利発そうな男は、ぼくの名前をはっきりと正確に発音した。


(,,゚Д゚)「津出玲子失踪事件の重要参考人として、お前の身柄を拘束させてもらう」


もう一人、助手席側から出てきた男……くたびれたコートを羽織った中年男は、ぼくへの要件を簡潔に述べた。

男たちはどうやら、ぼくを逮捕しにきた刑事であるらしい。

とはいえ、今さら抵抗するつもりも、言い訳する気も起きなかった。来るべき時が訪れた、ただそれだけのことだ。

家宅捜索が入れば、冷蔵庫へしまわれた津出玲子のバラバラ死体も、彼女がしたためたぼくを擁護する遺書も、すぐに見つかるはずだ。

そんな状況で足掻いて逃げて、一体何になるというのか。

いっそのこと、ぼくの傍らに佇む幻覚の少女が彼らにも見えていれば手っ取り早いのだが。そんな下らないことを考える余裕さえ、ぼくには在った。


( ・∀・)「彼女が失踪する前、あなたに会っていたかもしれないという証言を得ましてね。少しお話を伺えますか?」


そんな刑事の言葉も耳に入らず、ぼくは改めて二人の男へ視線をやると、その立ち姿をじっと眺めた。

スーツの男の首には大腸が、コートの中年の肩口には頭皮が、この期に及んでそれぞれ引っ付いており、それがなんだか少しだけ可笑しかった。


(,,゚Д゚)「何を笑っている?」


いえ、とぼくは断りを入れ、何気なく空を見上げる。

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964 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:32:52 ID:b08FoNhc0
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( ^ω^)「あ……」





見上げた空の彼方には、真っ赤に照るはずの夕日の代わりに、巨大な髑髏が燦々と輝いていた。



ぼくはもう永遠に、この幻視から逃れることはできない。そんな確信を、ぼくは抱いていた。





<了>

965 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 03:35:33 ID:b08FoNhc0

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