968 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:00:13 ID:UJSWCE.cO

四十七本目


  .,、
 (i,)
  |_|


ガマンできないようです

(やや閲覧注意)

969 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:01:07 ID:UJSWCE.cO

ζ(゚ー゚*ζ『早く入れてよう』

 クソみたいな女だった。

 四六時中セックスしていないと気が済まないような女だった。

 よく知りもしない男、どころか出会って30分しか経っていない男へも簡単に股を開くような、
 どこもかしこも緩みっぱなしのゴミだった。

 ゴミは「歩くダッチワイフ」と学部内で呼ばれているのを自覚し、それでもへらへら笑っていた。


( ^ν^)「……」

 かたかた。かたかた。

 キーボードを打ち込みながら、ディスプレイを見つめる。
 文字の羅列を読み流す。

970 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:01:53 ID:UJSWCE.cO

ζ(゚ー゚*ζ『入れてよ、ねえ。もうガマンできないよう』

 会えばすぐにそう言っていた。

 映画なんかを見に行っても、大してスクリーンに集中せぬままぼんやりと二時間を消費し、
 終わればすぐに俺の手を引いて近くのホテルに入る。
 そうして早々に服を脱ぎ、ベッドに転がるのだ。


 白状すると、互いに相手の体──ひいては体を合わせる行為──にしか興味がなかったので
 手っ取り早いと言えば手っ取り早かったが。

 それにしたって、向こうの明け透けさにはしばしば興醒めした。


 かたかた。かたかた。

971 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:03:36 ID:UJSWCE.cO

 あいつと関係を持った男の数など、確かめるのも億劫だ。
 とにかく誰にでも誘いをかける女だったので。

 たまに、勘違いした輩から「俺以外の男と寝ないでくれ」と懇願されるらしい。
 本人は深く思い悩んで発したのであろう願いを、あいつは困り顔で他の男に話し、相談する。
 「彼氏でも夫でもない人に、そんなこと言われてもね」と。笑える。

 あいつからすると、肌を晒してきた男の大多数は恋人でも友達でも知人でもない。
 自分を気持ちよくしてくれる棒だ。あいつが必要としているのはそこだけだ。つまり道具。
 物を考える頭も言葉を吐く口もよく動く手足も、あいつにとっては棒の付属品だった。
 道具から、ましてやその付属品から独占欲を向けられたってどうしようもないのである。


 かたかた。かたかた。


 それを理解せぬまま、自分は特別だ、あいつの彼氏なんだと
 勘違いしてしまう馬鹿は、相当数いたらしい。

 何をどうすれば、あんな尻軽に熱を上げられるのだろう。
 数十、下手をすれば数百もの男に共有されてきた便所を恋人にしたいと、なぜ思えるのだろう。

 向こうはこちらを道具として見ているが、こちらだって向こうを道具だと思っている。
 向こうの挙動もこちらの挙動も何もかもどうでもいい。
 そういう認識が一番楽で、また、正しくもあるのに。

972 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:04:32 ID:UJSWCE.cO

 その点俺は上手くやっていた。
 あれは性欲発散にすこぶる丁度良かった。
 女に慣れていない俺のような男の誘いにも簡単に乗るし、金もかからない。便利極まりなかった。
 ゴムの着用を徹底させているのは意外だったが、病気を移されるよりはいい。


 かたかた。かたかた。


 だが、わけもなく苛立たされるような女でもあった。

 時折、無性に腹が立つ。
 へらへら笑う顔やころころ高い声が神経を逆撫でする。

 会う度にそれが増す。

 それらが零れないようにと支えていた糸が切れてしまったのは、つい先日。


 かたかた。がたがた。

973 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:05:29 ID:UJSWCE.cO


ζ( O ;ζ『ぉあ゙……っ……ぎ……』

 あの汚い声と歪んだ顔は、多分俺しか見たことがない。

 細い指を全部折った。あるいは潰した。
 ここが弱いの、といつぞや言っていた乳首に針を何本か刺した。
 付け根に小さな裂け目が出来るほど舌を引っ張った。手に力が入りすぎて先端がやや潰れていた。
 薄汚い穴にはリモコンとかペンとか、入りそうなものを手当たり次第ぶち込んだ。

 やめて許して痛い苦しいと喚く度に舌を引っ張っていたら、いつの間にか黙った。

 楽しくはなかったが、やらなければならない気がしていたので、そういうことをひたすら繰り返した。

 粗方済ませた後、穴から異物を全て抜き取る。
 限界まで開かされてもなお異物をくわえ込み続けていた穴は裂けてしまっていた。

 ズボンと下着を下ろし、興奮しきったモノを宛てがう。

974 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:06:24 ID:UJSWCE.cO

( ^ν^)『早く入れてって言えよ。いつも言ってるだろ』

ζ( 、 ;ζ『ぅぎ、ぎぃっ……』

( ^ν^)『言ったら終わりにするから』

ζ( 、 ;ζ『っ、ぃ……いれて、いれてくださいっ、いれて、いれて、いれて』

 言う通りにしたので、終わらせてやった。
 犯しながら首を締めていたら白目をむいて完全に沈黙した。
 整っていた顔は、安物のダッチワイフの方がマシなくらいぐちゃぐちゃだった。

 ゴミ女は本当にゴミになった。
 細かくしてゴミ袋に小分けする。


 ああ、これでこいつ、他の男の相手できなくなったなあ。

 そう思った途端に満足した。
 ようやく楽しい気分になった。

 何故そんな風に思ったのか分からない。

 どうせ大した理由じゃないだろう。

 どうでもいい。

975 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:07:35 ID:UJSWCE.cO


 がたがた。がたがた。


( ^ν^)「……」

 ディスプレイから目を離す。
 さっきまで小さく震えるだけだったドアが、大きな音を立てて揺れている。

〈……れて……〉

 音に混じって声がした。
 あいつが事切れる間際の濁った呻き声に似ている。

〈入れて……入れてよう……ねえ……〉


 がたがた。がたがた。


 ドアを押さえる、背の低い本棚も揺れていた。
 やがてドアが細く細く開く。
 そうすると、ますます揺れが激しくなった。

976 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:08:28 ID:UJSWCE.cO

〈……入れて……〉

 こちらが招き入れるまでもなく、もうしばらくしたら、勝手に入ってくるだろう。

 ひたり、変色しきった薄い指がドアと壁の隙間から覗く。

 俺はディスプレイに向き直り、また無意味な羅列を眺める。


 がたがた。がたがた。
 がたがた。ぎい。


 背後で、ドアが一層開く音がした。





977 名前:名も無きAAのようです[] 投稿日:2014/08/17(日) 06:08:44 ID:UJSWCE.cO

  (
   )
  i  フッ
  |_|
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