898 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:31:19 ID:EF2GG9PE0

四十四本目


  .,、
 (i,)
  |_|

899 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:32:18 ID:EF2GG9PE0




   ゴミ捨て場ってさぁ、


      


        誰が何捨ててるか分からないだろ?

      ホラ、君の部屋から直ぐ近くのゴミ捨て場の事だよ。

      絶対そこに何か居るって。


        絶対に、夜見ちゃいけないもんが、きっとあるぞ?
      




.

900 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:33:43 ID:EF2GG9PE0
俺はその日、チャリで通勤していた。
まだ朝は早くて、道には誰もいやしない。


('A`)


景色が流れていった。

出勤時に川辺を散策するのが俺の趣味だった。



問題は直後に起きた。



河川敷の比較的低い方に。

そこに、一つ、ぽつんとビニール袋が捨てられてんのよ。
そこがゴミ捨て場になってんのは知ってたけどな。

そして。

ほんの一瞬だったけど、俺は見ちまった。

ある程度遠かったけど、確かに。





口紅をがっつり塗って、ニタっと笑ってる、女の生首が、ビニールの中に詰め込まれて、こっちを見てるんだよ。



.

901 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:34:32 ID:EF2GG9PE0
(;'A`)「ひぅ、」


恐怖に息が詰まったね。


でも、信じられない。
あれは嘘だ、見間違いだ、って、何度も何度も言い聞かせた。
だってそうだろ?非常識的過ぎるんだから。

自然とペダルを漕ぐ足に力が入った。

振り返ってみると、生首の入ったビニール袋はもう遠くで、見えなくなってた。

一体、あれは本当だったのか。出勤中、そればかりを考えたよ。

でも、結局見間違いだった。

そうとしか考えられなかったんだ。
第一、あんな遠くからハッキリ「生首」だなんて認識出来る筈が無いだろ?

902 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:35:23 ID:EF2GG9PE0

('A`)「……おはよう」


( ・∀・)「おはようドクオ」

( ・∀・)「顔色悪りいな」

( ・∀・)「今日、夕飯食ってくか?」

仕事場に着くと、開口一番に同僚のモララーがそう言って来た。

('A`)「……ああ」


節約主義の俺は、いつもなら断ってたんだ。

でも、今朝の「出来事」を思い出すと、一人で帰るのは
怖かった。


暗がりの帰り道、また「あいつ」と遭遇するなんて、事を考えちまった。そんな事あり得ないのに。



('A`)「いいよ」

渋々。

( ・∀・)「やった」


モララーは喜んでた。
俺は、安堵した。

903 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:36:11 ID:EF2GG9PE0


仕事終わり。


俺は今朝の事なんて半ば忘れ去っていた。

( ・∀・)「どこ行く」

('A`)「ラーメンでいいだろ」


( ・∀・)「おk」



結局、俺とモララーは駅前のラーメン亭に寄る事にした。

ラーメン亭は、飯の匂い立ち込める表通りから逸れた裏道に、ぽつりと立っている。



(`・ω・´)「らっしゃい」

('A`)「塩下さい」

( ・∀・)「僕は豚骨で」

904 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:37:14 ID:EF2GG9PE0

ラーメン亭のおっちゃんに注文を届けた後、俺はモララーと他愛ない話をして待ってた。

( ・∀・)「彼女欲しいなー」

('A`)「彼女?食いもんか?それ。ただでさえラーメン脂っこいのに、これ以上食えねえよ」

( ・∀・)「冗談だよ。ドクオ。俺もお前と同じ仲間だ」



(`・ω・´)「はいよ」


('A`)「お、ありがとーーー」




その瞬間には、俺は、椅子から転げ落ちていた。


だって、おっちゃんが出したどんぶりの中には、


ラーメンなんかじゃない、

黒い何かに浸かった、あの生首が入ってたんだから。



あの、にったり笑った、女の生首と、目が、合ったんだ。

.

906 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:38:09 ID:EF2GG9PE0
( A )「う、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」


「ど、どうしたんだよ!?ドクオ!」



俺は半狂乱だった。

地べたを這い回り、呂律の回らない口で、何かを口走りまくっていた。


「ただの旨そうな塩ラーメンじゃねえか!」


ラーメン?これがラーメンに見えるってのか。
ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!

ふと、モララーを見上げると、

あろうことか、頭上にあの女の顔があった。


( A )「あ……?」

信じられなかった。

モララーの顔は何処かへ消え失せ、モララーの首から先に、女の生首が、ひっついてたんだ。


三日月型ににっかり割れて、底の見えないくらいに漆黒に
笑う、視線が、俺の目を舐めまわして。

にっこり笑う、その血みたいに真っ赤な口紅の口を、大きく開いて。

モララーの首から下を、俺にむけて、にょっと伸ばして。

そう、俺を、食うみたいにーーー

907 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:38:59 ID:EF2GG9PE0
( A )「っ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」



気付けば、俺はベットの上だった。


( A )「はぁっ、はぁっ、」


嫌な夢を見た。それも妙にリアルな。



水を飲もう。

そう考えて、俺がベットから降りようとした瞬間。

908 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:39:39 ID:EF2GG9PE0






ゴミ箱から、ゴトっ、という音がした。









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909 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:40:29 ID:EF2GG9PE0






「おい、この前の、首切断ショー、凄かったよな」


「アレ、マジだったらしいぜ」

「え」

「ヤク漬けにされて、廃人になった女を、本当に殺したんだと」

「……恐ろしいな」


「後になって分かった話だけど、客が居なくなった後、その生首は、何故か見つからなかったそうだ。いくら探しても」

910 名前:名も無きAAのようです[sage] 投稿日:2014/08/17(日) 01:41:20 ID:EF2GG9PE0


あなたのそばに、のようです


  (
   )
  i  フッ
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